November 10, 2009
November 06, 2009
こんな夢を見た/其の5
November 05, 2009
ホラー好き!必読の名訳!/『怪奇小説傑作集 1 英米編 1』
●怪奇小説傑作集 1 英米編 1
●出版社;東京創元社 (創元推理文庫)
●翻訳者;平井呈一 他
●発売日;2006/1/31
古典の傑作『猿の手』について感想を書いたので、こちらも紹介。
●作者と収録作品
幽霊屋敷◆ブルワー・リットン
エドマンド・オーム卿◆ヘンリー・ジェイムズ
ポインター氏の日録◆M・R・ジェイムズ
猿の手◆W・W・ジェイコブズ
パンの大神◆アーサー・マッケン
いも虫◆E・F・ベンスン
秘書奇譚◆アルジャーノン・ブラックウッド
炎天◆W・F・ハーヴァー
緑茶◆J・S・レ・ファニュ
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東京創元社文庫『怪奇小説傑作集 1 英米編 1 』。人気のシリーズで、現在も新版として入手できる。このシリーズに中・高校生の頃出遭ったか?、出遭わなかったか?で、その後の読書傾向は大きく変わるだろう。 それほど英米・英語圏で長く読まれている怪奇小説の掌編を、厳選・網羅したシリーズだ。
1980年頃、角川文庫に始まる文庫本バブリーがあった。その結果、読むべき本はメディア・ミックスのベストセラーに駆逐され、本書のような基本書は、書店の棚から消えてしまった。最近、古典基本書が見直されている。本書も、版を替えて、注文すれば入手できるようになった。古い読者としては、本当に嬉しいことだ。
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この短編小説を手にしたのは高校生の頃。速読みの多読・乱読。学生時代の読書は、とにかく沢山の本を読みたかった。本を味わうと言うよりは、知りたい欲が勝っていた。大体は、一度読めば、再読することはなかった。だが、本書は何度も読み直した。私の基本的な趣味『可愛いと怖い』『聖と俗』『賢いと愚か』は読書によって養われたものだが、その中の怪奇趣味と衒学的な読書嗜好は、確実に本シリーズに教えてもらっている。
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暖炉の明かりとグラスに残ったウイスキーの琥珀色…。
窓の外は、寂寥としたイギリスの田舎。豪奢だった屋敷に往年の栄華はなく、老いた執事は主人の寝息に耳を澄ます。不穏で、曖昧な恐怖の気配が忍び寄る夜…。
◆
本書に収録された作品たち、それなりの時代を経たものばかり。だが、ページをめくるたびに、描写の巧みさは、景色を見せ、音を聞かせ、匂いすら感じる。物語の舞台に、どれほど立ちたいと思っただろうか…。それが有名な観光地ではなく、格別美味いもの等ないイギリスの寒村であろうと…。本を片手に、「行きたい!行きたい!」と渇望した。念願叶い、スコットランドからイングランドへ南下した時のこと。貧乏旅、古い湖水地方のホテルに泊まった。シャワーの壊れた部屋の床はきしむ。深夜、国際電話をかけに、ホールに向かう細くて暗い廊下。暗がりの奥に、私は幽霊を見た(ように思った)。あの時の喜び!。それは、本書が教えてくれたものだ(笑)。
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先日、紹介した『猿の手』は、イギリス風の皮肉、ブラックユーモアに溢れた作品。本書のどの作品も良いが、とくに、私のお気に入りは、平井呈一訳のA.ブラックウッド『秘書奇譚』。少し古い日本語は、若い読者には読みにくいかもしれない。だが、翻訳者の自由裁量!!は見事の一言!!。英語独特の言い回しを日本語に置き換える時に生まれるまだるっこしさ、他言語の距離感を、平井呈一先生は楽々と乗り越える。
原書と訳文を並べて読めば、翻訳者の力量が測れる。平井訳は、一つの頂点だ。平井氏の弟子に、紀田順一郎さんと荒俣宏さん、由良君美さんがいる。このお弟子さんたちの作品も、私の愛読書だ。平井先生ご自身は永井荷風の門人。※平井 呈一(ひらい ていいち、1902年6月16日生まれ〜1976年5月19日没)
師匠は永井荷風!ですよ〜〜!!。
お弟子は荒俣さまですよ〜!!。
翻訳者的豪華絢爛!。平井氏の翻訳に小泉八雲の全訳もある。この一門にどれほど人生の愉しみを頂いたものか!!。彼らがいなかったら、本など読まなかったかもしれない(汗)。
平井訳の『ハリ・ポタ』!!。あったら良いな〜〜〜〜!!。
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November 04, 2009
願いの叶う…、作者の意図は?/『猿の手』

●猿の手
●原題;The Monkey's Paw
●作者;W・W・ジェイコブス/W.W. Jacobs
●出版;Oxford Bookworms Library
●DATA;語彙400 総語数4900 YL1.9 SSS難易度レベル1
本書は、非英語圏に住む英語学習者のための本。語彙数は初心者向けの400だが、はらはらどきどき感は十二分に味わえる。高校生の時、創元社文庫で読み、つくづく「巧いな〜」と思った。最近の事件報道で、この話を思い出した。簡単なあらすじとあれこれ雑感など…。
●あらすじ
穏やかに暮らすホワイト夫妻。ある日、旧知のモリス軍曹から不思議な力を持つ“猿の手”を話しを聞く。軍曹は、“猿の手”には魔力が宿っており、持ち主の“3つのねがい”をかなえてくれると言う。老いたホワイト夫妻には、家のローン200ポンドが残っていた。モリス軍曹の忠告は「願いがかなうが、それはけっして幸せなものとは限らない」だった。“猿の手”を譲られ、半信半疑のホワイト夫妻だったが、“猿の手”に200ポンドを願う。良いニュースを待っていた夫妻に届いたのは…。つづきは本書、または“怪奇小説傑作集 1 英米編 1 /(創元推理文庫) ”でお読みください。
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先月、弟の国の人(=弟の意)と、宝くじを3枚買った。ケチ臭い小額だが、3000円は痛い。ささやかに!、3枚は900円なり。この中の1枚が高額当選すれば、「あれを買おう、これを買おう、もしかしたらペットを誰かにお願いし、旅行にも行けるかも…」。欲望はどんどん花開き(汗)、最後はラスベガスでスロットをしていた(妄想<<<笑)。900円分の「くふふ。。。」、十分楽しんだが、結果は「あはは〜」。妄想系で、また900円ぐらい買っても良いと思ったりする。
宝くじは、3つのお願いどころか、たくさんの望みが叶う(かもしれない)。と、言っても、金銭で買えるものに限るのがミソ。金銭は努力を比例して、得る確率は上がる。だが、夢のような一攫千金は努力とリンクしないらしい。その努力と相関しない部分に、庶民の夢を叶える物語が生まれる。本作も、そんなささやかな望みを持った老夫婦の物語として始まる。最初ののぞみは、家のローンを返済する200ポンド。100年前のイギリスの老夫婦の願望だが、家のローンの負担は今も昔も変わらないようだ。この望みが、皮肉だし、笑える。
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誰も思う。簡単に望みが叶う秘密のアイテムがあれば…。
『猿の手』は古典的な名作だが、普遍的な問題提起をしている。作用と反作用、エネルギー不変の法則、とにかく、努力のない場所に現れた富には、マイナスの揺り返しが必ずあるらしい。類似作とは、ステーブン・キングの『ペット・セメタリー』があった。こちらの望みは『猿の手』をもとネタにしている。
人気TVシリーズ『スーパー・ナチュラル』にも同じ発想のストーリーがあった。ラッキーな出来事のあと、同じ分量のアン・ラッキーが発生する。簡単に得たものは、簡単に失う。判っていても、努力なくして、成功を得る、欲望を満たすアイテムはないものか?。お伽話の作者は、さまざまなラッキーアイテムを作り出し、幼い読者の心にウキウキ、ワクワクする怠け者の天国を届ける。だが、『猿の手』の作者W・W・ジェイコブス/は、「そんな虫の良いラッキー・アイテムなんてないよ」と冷笑する。
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欲望を抑え、人として平穏に暮らす技は?、
こだわりを捨てる知恵、トンマで軽く生きることではないだろうか?。日頃、大抵貧乏、最悪なことに重症の収集癖。毎日、贅沢、美食とは縁遠いが、そこそこ生活している。白馬の王子さまは、道路交通法違反になるので、今はいないらしい。ロマンチックと贅沢は仲が悪い。NHKBSの番組予告で、昔の歌謡曲が流れてきた。
◆
たとえばわたしが恋を
恋をするなら
4つのおねがい
聞いて
聞いて欲しいの
ひとつ…(中略)
最後は秘密にしてね
ちあきなおみ“4つのお願い”
◆
もし、猿の手を入手したら?
最初のお願いは吟味した方が良い。
最後は、「ひみつにしてね」か…(汗)。
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November 03, 2009
拡大する欲望…その先の先/『猿の手』
November 02, 2009
October 31, 2009
ハローウィンの夜に/10月の雑感

●眠れるジプシー女●
●title: La Bohémienne endormie
●PEINT DATA;1897年 129×200cm 油彩・画布
ニューヨーク近代美術館所蔵
●作者;アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー
Henri Julien Félix Rousseau,
●PARSONAL DATA;1844年5月21日 - 1910年9月2日
19世紀〜20世紀フランスの素朴派の画家
どれほどの眠りが私を捕らえるのだろう
眠りの底はどこまで深いのだろう
ここが熱砂の砂漠であっても
夜の月は眠りを留める
月光の下
獅子が吼える
孤独な眠りと眠りの孤独
眠りは死の底を掬い
そして、私は今日を忘れる
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アンリ・ルソーの代表作。
多額の借金を抱えていたルソーはこの絵を売却したいと故郷ラヴァル市長に手紙を書く。だが、絵は思惑どおりに売れなかった。ルソーは困窮の中で病死。この絵は、長く行方不明だったが1923年に発見される。所有者(サイモン・グッゲンハイム夫人)の寄贈により、現在はMoMAが所有している。
◆◆◆
今日はハロウィーン(Halloween)。カソリックの記念日“カトリックの諸聖人の日(万聖節)”の前夜との位置づけだが、起源はケルト人の大晦日。この日には、日本のお盆のように死者や魔女、精霊がこの世に戻ってくると考えられていた。日本のお盆と同じように、ランタンで夜の道を照らし、お墓参りをする地方もあるらしい。
昨年の今日(10/31)、弟の国の人(弟のこと)が交通事故を起こし、廃店舗に自家用車で激突した。幸い車が大破しただけで、本人は逆さになった車の座席から救助された。実際に事故現場を見たなら、大怪我、あるいは死亡事故の様相だったらしい。腹を見せつぶれた車体、店の4枚のガラス戸は粉々になり、中の什器も壊れていた。幸い、現場には誰もいなかった。
昨年の今日から、幾度も謝罪に行く。修理の現場にも立ち会った。無事、店舗は新しく外装内装され、事故以前からの雨漏り修理も済み、生き返ったようになった。だが、店舗の持ち主との示談交渉は難航。相手が不明瞭な現金を要求するに至っては、保険会社の交渉にまかせるしかなかった。先方の頑迷さに、一時は示談成立を諦めたこともあった。4月中旬、保険会社担当者の上司と一緒に示談の苦情を聞きに行く。夫妻に親戚の男まで登場し、詭弁と嘘、誹謗中傷、罵詈雑言の嵐に出遭う。嵐の行過ぎるのを土下座状態で1時間ほど待っていた。その時、頭の中で静かな水音を聞いていたように思う。難航していた示談交渉もこの嵐の日を境に動き出した。だから、水音を聞いたのも悪くないと思うことにした。
◆◆◆
この1年、そんな弟のトラブルから始まり、弟の健康・精神状態の不安定、父の病状の悪化や知人、親戚の死去が続き、災厄の連続だった。明日から、ケルトの新年なら、この災厄が終わることを切に願う。そんな非日常が連続した毎日を、ゴスペルなど歌の輪に加わることでしのいでいた。大晦日(ケルトの)の今日、つくづく毎日を反省すれば、
すべきことを何もしていない
ことに気付かされる。私はアンリ・ルソーの絵の女のように、砂漠でライオンを頬を舐められながら眠っている。眼を覚ませば、命を失うかもしれない。だが、眠っている女をライオンは襲わない。この“眠る”と言う比喩を分析すれば、無意識の世界にこそ、解決方法、自己実現がヒントが隠れているということではないだろうか?
◆◆◆
今日、一昨年遊びに行っていた人形教室の先生に会った。
昨年まで展示に先生は無関心だった。公民館勤務の知人に依頼され、公民館や市民ギャラリーの展示をしていた。昨年どおり、展示作業をするつもりで出かけた。だが、知人の姿はなく、困惑した顔の公民館職員…。仕事でも、趣味のサークルでも、潮時、去り際と言うものがある。ただ置くだけの展示を、所在なく眺めていた。
神仏との結縁、運命的な友人、愛すべき知人との縁は、どんな歳月を挟もうとも変わりはしない。だが、世の中には“縁なき衆生”がたくさんいる。誰とでも「努力さえすれば結縁できる」と思うのは、思い上がりであり、おた〜らく(方言;お気楽、世間知らずの意)な勘違いに過ぎない。永遠の平行線しか辿れない人もいる。昨日、高齢者コーラスとも平行線を感じた。12月までの会費を支払い、来年以降は参加できないと告げた。「事情がわかれば、金を払えとは言わない」とは世話人の弁。「…」、平行線の所在は音楽に対する考えの違いだろう。
◆◆◆
そんな人の縁を見極め、少しでも悪心を抱かないように暮らす。それには「無意識のサインに忠実になるのが良い」と、この絵は教えてくれている。昨年の10月31日から、私は見えない旅で出ていた。物見遊山の旅の終わり、路銀は尽き、土産に音楽(女の楽器)が残っただけ。傍らのライオンは、大いなる智慧のシンボルであり、災い多い現世(うつしよ)の監視者だ。一つの災いが去ったことを獅子は女に告げている。自己に内包される偉大なる智慧、それは俗世の中には潜んでいない。
と、絵を勝手に会話し、ケルトの1年の終わりとする。
明日から、新しい1年の始まり!!。良いお年を!(笑)。
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