February 2007

February 28, 2007

鴨肉とクレソンの鍋の恐怖(?)/『失楽園』森田芳光監督作品2

失楽園/1

●William Blake "Paradise Lost" Milton

●失楽園●
●監督;森田芳光
●原作;渡辺淳一
●主演;役所広司/黒木瞳/寺尾聰/柴俊夫/星野知子/木村佳乃/平泉成/岩崎加根子/中村敦夫
●1997年制作 日本アカデミー賞/報知映画賞/キネマ旬報賞受賞

 ウィリアム・ブレークの『失楽園』のイメージを貼りたいだけです(笑)。

 と本音はさておき、夜中TBS系で日本映画『失楽園』を放映していた。初見で、原作も未読。10年前の話題作、当時も今もまったく興味がなかった。結局、最後まで見てしまったが、だんだん怒りがこみ上げた。今さらですが、感想など…。

●あらすじ

 久木祥一郎は50歳。大手出版社のやり手編集者だったが、 今は一線を退き、閑職の歴史全集編集室に所属している。松原凛子は38歳。医師の夫とは見合い結婚、子供はいない。凛子は久木の知人のカルチャー・センターの書道講師に招かれる。凛子の美しさに久木は惹かれ、凛子を誘う。夫との結婚生活に飽きていた凛子は、久木の情熱に溺れていく。二人は人目を避け、逢瀬を重ねる。しかし、凛子の夫は興信所に調査を依頼していた。二人の関係が深まるにつれ、周囲から孤立していく。そして二人が取って決断は…。

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失楽園/2
 恋愛小説がまったく読めない。だからこのジャンルは苦手だ。TV放映だから見たようなものだった。しかし、これは一種のホラーだ。ホラーだと思えば、また違う感想が湧く。これが大ブレークした10年前って、なんだったのだろう?バブル貴族の宴が終わり、太宰の斜陽族ではないが、世の中黄昏に包まれていたのかもしれない。

 久木の年齢は、いわゆる団塊世代だ。そして凛子もほぼ第二次ベビーブーム生まれ。お医者さんの渡辺先生は、非常に巧くマーケット・リサーチして作品を書かれている。原作の『失楽園』は累計で300万部も売り上げている。

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 題名の『失楽園』は、ミルトンのものが有名だが、主題もテーマもまったく合っていない。渡辺淳一先生は、白樺派の作家有島武郎の心中事件(1923)に想を得て、『失楽園』を書かれたそうだ。有島武郎の代表作『カインの末裔』との語呂合わせのようにキリスト教的な題名をつけたに違いない(独断)。原作の後半はお医者さんらしく(?)、心中事件の死亡例を多数引用されているらしい(うわ〜〜、陰気だヨォ)。しかし、作家は自殺願望が強い!?

 監督は森田芳光さん。彼らしい少し暗めのライティングで、久木と凛子の日常を丹念に描いている。話題のベッド・シーンはまったくエロくない。黒木瞳さんの細すぎる肢体とボブカットはどこか中性的だ。役所さんもこういった道を外した役にハマらない。

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 映画で描かれる久木と言う人物は、極めて利己的で、とんでもなく非常識だ。久木は凛子の義父の葬式の晩に、ホテルに無理矢理呼び出す。久木が凛子を待っている描写が実に下品(そわそわと廊下を窺い、ベッド廻りを整えている)だ。小説ではどんな表現になっているか不明だが、このシーンで森田監督の皮肉な視線を感じる。

 凛子について言えば、単に情欲に溺れて我を見失っているだけだ。二人の間に愛があるか?「ない」、と私は思う。死に向かう愛はない。二人は無一文になっても、ちゃんと生きるべきだ。日本人はどうも心中を美化し過ぎる。結局、どちらかの死に引きづられる殺人でしかない。渋い二枚目俳優と綺麗な女優さんが抱き合って心中するイメージを、ロマンチックな受け止め方をする読者もいるかもしれない。だが、一般人38歳と50歳の心中は如何なものか?台詞から凛子はファザコンのようだし、会社も辞めたし、旦那は鬱陶しい。心中の理由は、面白いこともないし、色々面倒だし、「死んじゃえ」的な安易さが不快だし、怖い。

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 と、熱く(?)書いてしまったが、けっこう面白く見ました(笑)。

 一番面白かったのは凛子の得意料理『鴨肉とクレソンだけの鍋』。二人で旨そうに食べていた。本当に美味しいのか?謎!!鴨はやっぱり焼きネギと食べたい。

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February 26, 2007

千秋親子に見る芸術家の宿命?/『のだめカンタービレ/17巻』3

のだめ17
●のだめカンタービレ/17巻●
●著者;二宮知子
●出版社;講談社

 『のだめカンタービレ』の最新刊。内容は“lesson95”から“lesson100”。未読の方は若干ネタバレしているので、ご注意ください。

●あらすじ

 問題有り弱小オーケストラ(マルレ)の常任指揮者になった千秋真一。団員の入れ替えや千秋の奮闘で、公演も回を重ねるごとに観客の反応・新聞批評は温かいものになっていた。マルレの定期公演の帰り道のこと。同世代の真一の活躍に、ユンロンとターニャはコンクールへのチャレンジを口にする。呑気なのだめは、ターニャに年齢を指摘され、すっかり焦った気分になってしまう。

 その頃、千秋のアパルトマンに千秋の父・雅之の姿があった。旧友(屋根裏の画家)と酒を酌み交わしに来たのだ。管理人さんと画家に「真一は、父親に似て才能がある」と言われ、すっかり歓談気分で無くす雅之だった。そんな雅之に、画家は「行けば真一が喜ぶ」とチケットを渡す。翌日、のだめはオクレール先生に「コンクールに出場したい」と言うが、先生は「コンクールは禁止です」と、課題曲を増やす。

 一方、真一は次ぎの公演準備のために、アパルトマンを出て行く。行き先は、雅之と親交のあるピアニスト・ニナの家。そこで公演で演奏するピアノ曲の練習に寝食を忘れ励むのだった。公演の日、のだめはピアノの練習の熱中し、開演時間に遅れてしまう。観客席にはのだめを待つオクレール先生の姿と、千秋雅之・ニナの姿があった。1曲目が終わり、大きな拍手に包まれるホール。最終曲の前、真一は客席にいる父を発見し動揺し…。>>>つづきはコミックでどうぞ!

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 17巻は、千秋親子の関係がクローズアップされている。千秋真一(息子)は父雅之の活躍する世界で着実に実績を積んでいる。しかし、父雅之は幼い頃に別れた息子ゆえに、成長した姿を認めておらず、それは子供の頃の思い出に捕われている真一も同様だ。この17巻の後、真一は父との思い出の多いアパルトマンを出て行く。この時の独白も父との関係に言及されている(のだめは無関係)。この当りの心理描写だけを追っていると、千秋親子が小さい人間のように感じてしまう。

 今回の中で一番疑問だったのは、千秋真一の公演を観に来た雅之と、のだめがすれ違うシーン。雅之はのだめに気づき、一言「気持ち悪いな」と言う。その一言でのだめは凍りついて、雅之に話しかけることが出来ない。息子のガールフレンドに向かって、推定50代の世界的ピアニストが「気持ち悪い」はなかろう〜ばい!バカにすっとやない!!なのだ。

◆◆◆

 ま〜、この台詞(伏線)から、のだめは雅之のコンサートを聞きに行く展開に。そして『打倒千秋&雅之親子』へと、モチベーション(ピアノ道を邁進する)が一気にヒートアップする。のだめ曰く「かわいさ余って憎さ100倍デスヨ」と若干意味不明な台詞だが、目は本気モードだ。最初の頃から、千秋はのだめに対して距離のある設定だ。この距離感は、一緒にパリに来てからも変わらない。これは芸術至上主義、雅之父からのDNAのなせる技(芸術の前にすべてを犠牲にしても良い)だと言うことだろうか。

 真一のマルレでのピアノ演奏で、『千秋 VS のだめ』の対立軸が前面に出てきた。天才性と言う点においては、のだめの方が魅力のあるキャラクターだ。編集方針のベクトルは千秋萌えにあるようで、のだめの魅力が十分に描かれていない。ちょっと脱線するが、作品のボディコピーにのだめを変態と表記することが多いが、これは不愉快だ。変態の意味は蛹が蝶に羽化するなどを指しているとはとうてい思えないのだが、如何なものだろうか???

 結局のところ、本場ヨーロッパで、一流の音楽家を目指す人の話。それはどんなに取材したところで、作者にも未体験ゾーンであることに変わりはない。のだめ&千秋の物語は、どんな着地点になるのか?芸術家の成功は、周囲の不幸に支えられている>そんなケースも多い。結末の予想は難しい。

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February 25, 2007

アンコールは釈迦だった!/『筋肉少女帯復活ライブ』NHKBS115

kingshow

●筋肉少女帯 復活LIVE●
●衛星第2テレビ;2月24日(土)23:30〜25:00
●衛星ハイビジョン;3月12日(月)(3/11深夜)前0:25〜1:55

♪ケッコウイイヒトダッタカラ スキニナッテモヨカッタ(釈迦)♪

 見ましたか〜?見ましたよ〜!偉大なるマンネリか?
 否!ラバーソール・スタンダード!!

 筋肉少女帯がナゴムレーベルだった頃、雑誌宝島にライブ情報が載っていた。三柴江戸蔵のピアノソロの素晴らしさ!ピアノの超絶技巧と、大槻ケンヂの描く戯曲的な詩の世界にどっぷりハマった。日本最初の本格プログレ!って思ったものだ(笑)。そんな筋肉仲間が、40才の声を聞くとは…(感慨)。20年前の美貌(?)は、時の中で風化してしまったが、やっぱりカリスマは相変わらず。万年思春期大槻くんは健在だ。ブースカと独り遊びしている箇所など「大笑いした」と書きたいのだが、気分的には父兄。ブースカが服を着ているのも、少し痛い(笑)。

◆◆◆

 ナゴム時代のキンショーを語る時に欠かせないのは、三柴江戸蔵(エディ)こと三柴理さん。今回のライブのキーボートはエディだった。これは、本当に嬉しい。三柴さんは脱退後も大槻と交流があり、大槻のユニット特撮に参加している。エディは人間の迫力が違う。なんてたって大きい!(※本当にデカイ!)。

 彼が脱退し、音楽の方向性が大きく変わった。ポップな路線とお笑い系が前面に出てしまった。それはそれで良いが、どうしても初期の作品群の印象が強い。三柴さんの演奏する『サンフランシスコ』『夜歩く』『孤島の鬼』などは歴史的な名演奏だ。

◆◆◆

 昔々、忘却の果て、筋肉少女帯のCDが手元にあった。一体何度ライブ会場に足を運んだか…。空手バカボンと人間椅子の共演は、今も私の中では伝説のライブだ。日本中のヒトが大槻を目にしたのはイカテンのゲスト出演だろう。イカテンの頃、日本はバブルの最盛期だった。バブルに踊って、オーバーワークの大槻は鬱病になったりした。大槻の文筆業がどんどん増えるようになる。キンショー終末期、ライブホールが小さな会場が替わった頃、日本も不景気になっていた。

 と、感慨しかないライブ放映だった。なにより良かったのは、当時より大槻くんの唄が巧くなっていたコト(またも父兄目線)。なにより怖かったのは、全部の唄が歌えるコト(大汗)。復活ライブDVDとベスト盤、近日発売予定。※都内のライブに父兄参観しようか?悩んでマス(大汗)。

●筋肉少女帯情報は>>>http://eplus.jp/sys/web/king-show/index.html

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February 24, 2007

極小地球防衛軍!?合い言葉は“SSDD”/『ドリームキャッチャー』5

dreamcatcher/1

●ドリームキャッチャー●
●監督;ローレンス・カスダン
●出演:モーガン・フリーマン/トーマス・ジェーン/
    ジェイソン・リー/ダミアン・ルイス
●2001年作品 DVD発売日: 2006/7/14 時間: 134 分

 以前、レンタルで観てとても面白く、レビュー用にまた借りようしたら、店の棚から消えていた。なんとなく、気掛かりだったのだが、CX系金曜深夜地上波で放映。「ヨッ!待ってました〜!」だったのだが、大幅にカットしてあった(泣)。DVDが¥1500なので買おうかな…。

●あらすじ

 ヘンリーは精神科医、過食症の患者のカウンセリング中、つい患者の心を読んでしまう。ヘンリーは鬱病に罹っており、自殺しようと拳銃を頭に向けるが、何かを感じ思いとどまる。ジョーンジーは大学教授、学生のカンニングを見つけ、追加課題を言い渡す。学生はその場に教授がいなかったのが不思議だった。ピートは車の販売業、車の鍵を無くした女性客のキーを探すが、気味悪く思われてしまう。ビーヴァーはジョーンジーと酒場で会うが、彼の身の上に危険が迫っていることを予感する。ビーヴァーと別れた直後、ジョーンジーが車道に歩き出し車とぶつかってしまう。心臓停止中、ジョーンジーは幼馴染みの親友デビットの幻を見る。
dreamcstcherposter

 ジョーンジー、ヘンリー、ビーヴァー、ピートの4人はメイン州の町デリーで育った親友だった。ある日、エロい落書きがあると聞いて、廃屋に遊びに行く。そこで知的障害のあるデヴィットが町の悪童に虐められているのを救う。デヴィットには不思議な力があり、その力は4人にも与えられた。デヴィットは「地球を守る」と言う。5人は友情の印としてドリームキャッチャーを作る。それの意味することをまだ誰も知らなかった。

 交通事故から半年、ジョーンジーは奇跡的に回復。4人で『壁の穴』を名付けた山荘で休暇を過ごすのが毎年の恒例だった。下品なギャグで大笑いし、酒を飲み、トランプに興じる。山荘には子供の頃作ったドリームキャッチャーがあった。ヘンリーとピートは数十キロ離れた町に買い出し、山荘にはビーヴァーとジョーンジーが残っていた。鹿撃ちをしていたビーヴァーは雪の森で遭難者を見つける。ひどく体調が悪いようだった。ベッドで休ませ、窓の外を見ると、熊、鹿、りす、ウサギ、狸、狐、あらゆる動物が同じ方向に向かっていた。「一体何が起ったのだろう…」。

 その頃、町から山荘に帰るヘンリー達の乗った車は、道に座り込んでいる女性を避けるためにハンドル操作をあやまり、森の中で横転していた。森の奥で何かが起っている。>>>つづきはDVDでどうぞ!

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 本作『ドリームキャッチャー』の原作は文庫本4册にもなる大作だ。人気作家とは辛いもので、常に書き続けなけらばならない。スランプになったら旅行でもして旅エッセーを書く常套手段もあるが、原作者のステーブン・キング氏は大の飛行機嫌い。彼は、ほとんど生まれ育ったメイン州から出たことがない。本作はキング氏の集大成のようであり、スランプの産物のようにも思える。出来については評価の判る作品だ。

 今回の4人組もメイン州デリーの出身、『スタンド・バイ・ミー』と同じように作者の子供時代の分身のような存在だ。『スタンド・バイ・ミー』と大きく違うのは知的障害のある少年デヴィットが加わったこと。そして、彼等は何に役立つのか判らない超能力を授かる。映画の前半は、少年時代のエピソードが丹念に描かれ、明るい空気が流れている。4人で作るドリームチャッチャーはとても美しい。ドリームキャッチャーとは、ネィティブ・アメリカンのお守りで悪夢の侵入を避けるためのネットだ。綺麗なビーズや、黒曜石の矢じりを飾ったりする。

◆◆◆

 映画の中で、すごく好きなのはジョーンジーの頭の中の書庫。このイメージはすごく判る。人の頭の中は、階層的で、意志的に分類されているか?いないか?で、記憶の引き出しが大きく違うように思う。新しいことを覚えるために、いらない記憶を焼却炉で燃やすイメージは楽しい!

 山荘に舞台が移ってから、物語はホラーSFに変容する。生物学的に「ど〜よ?」って感じもするのだが、残忍な宇宙からの侵略者が現れる。なんだか手際よく、軍が森を封鎖してしまう。軍の指揮官は長くエイリアンとの戦いを密かに続けていたらしい?ここらへんの流れが唐突で面喰らう。

 どうも宇宙人のイメージは血生臭いものが多い。アメリカ・ペンタゴンの情報操作が大きいのではなかろうか?近い将来、地球生命そのものが危機になるような大氷河時代が再来すると言う。そして、すでに欧米の最上層部は、選ばれた者だけの地球脱出計画が進められていると言う噂がある。都市伝説の一種だ。グレイ型宇宙人は消化器系が退化してしまい、動物の血液を食料(皮膚から摂取?)にしている=これも都市伝説(笑)。

◆◆◆

 友情物語、超能力者の悩み、エイリアンの襲来、軍の非道etc.と盛り沢山の内容。映画としてはB級の王道だ!「宇宙人!いるなら出てこい!」って、思う本作なのだった。

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dreamcatcher/2

February 22, 2007

賢い落札者は難しい!?ヤフオクでの本の話題。2

ヤフオクでの本の話題。続きを読む

February 20, 2007

『ドリームキーパー』を観て、思い出した話。5

ネィティブ・アメリカンの神話を描いた映画を観て、不思議な話を思い出した。続きを読む

February 18, 2007

無音の未来…、こんな明日はイヤだ!/『エンド・オブ・ザ・ワールド』4

onthebaech/1
●エンド・オブ・ザ・ワールド 完全版●
●監督: ラッセル・マルケイ
●出演:アーマンド・アサンテ/レイチェル・ウォード/ブライアン・ブラウン/グラント・バウラー
●DVD発売日: 2001/2/23  時間: 208 分

 レンタル店の棚に『人類絶滅コーナー』がある(笑)。端から見ようと思っているのだが、このジャンルはB級作品が多く、当りはずれが多い。本作は1959年に作られた『渚にて』のリメイク作品。往年の名優グレゴリー・ペックが主演している。古い映画で、さすが(?)に未見だ。パッケージにあった滅亡の巨匠(!)小松左京さんの推薦文に惹かれて借りたのだが…。

●あらすじ

 2006年、中国が台湾封鎖を強行する。国連やアメリカが抗議するが、中国の態度は硬化。ついに両国間で核弾頭の発射ボタンが押された。結果、北半球は核汚染され、地上生物は絶滅してしまう。米海軍潜水艦スコーピオン号は、海中にいたため被爆を避けることが出来る。彼等の目指すのは、まだ放射能汚染が達していないオーストラリア・メルボルン。潜水艦内でのデータ解析では、赤道高地から放射能が流れ出し、南半球の生物生存限界は数カ月後と言うことだった。

 メルボルンに向かう途中、スコーピオン号は豪政府の命令で、孤島で死を待つ大気学者を強引に同行する。彼は汚染が南半球にも及びことを確信しており、恋人とも別れ、飲んだくれていたのだ。オーストラリアでは北の地方はすでに危険レベルに達していた。また原油国の壊滅によりガソリンは枯渇、町は北からの避難民と、一般市民の暴徒化で荒れ果てていた。郊外に住む海軍士官ピーターは建築家の妻メアリーと幼い娘との三人暮し。妻は汚染報道を信じることが出来ず、家の改装に熱中していた。

 ある大気学者が「北緯60度以北に放射能汚染濃度が低い場所がある」と推測。その証拠に北から定期的に電子メールが発信されていると言う。上陸したスコーピオン号に新しい任務が下される。それは、孤島にいた大気学者オズボーンと豪海軍士官ピーターを乗艦させ、「北に調査に向かう」と言うものだった。オーストラリアが壊滅するまで数カ月、政府の狙いは地球上に汚染されていない場所を探し、1000人の男女を移住させると言うもの。輸送に使えるのは高性能潜水艦のスコーピオン号しかなかったのだ。果たして、北緯60度以北に人類は生存しているのか?スコーピオン号の見たものは?>>>つづきはDVDでどうぞ!!

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 長い!3時間半の完全版!この長さは、「どれもカット出来ない必要なシーンだったから」と思える。そして繰り返し見てしまう切なさがある。本作は、パニック映画ではない。死を前にして、愛する家族とどう過ごすか?人は絶望を前にどんな行動を取るのか?実に濃厚な人間ドラマなのだ。
onthebeach/book
 しかし、頂けないのは日本語版DVDのパッケージ。退屈なパニック映画しか想像できない自由の女神とニューヨークの廃虚のイラスト。こんなシーンは何処にもない(!)。原題も『On The Beach/渚にて』、『世界の終わり=End of the world』なんて直接的なものではない。この題名を見ただけでも販売元のミスリードを感じない訳にはいかない。ネビル・シュートの原作が読みたくなってamazonで探したら絶版。なんと数百円の創元社SF文庫が四千円以上の価格になっていた。よく探したら千円以内で買えるものが見つかったので注文した。読了後、また感想を書き加えたい。

◆◆◆

 物語は放射能汚染で死滅していく世界とともに、スコーピオン号の艦長タワーズとオーストラリア士官ピーターの義姉(妻の姉)のラブロマンスを追って行く。また家族愛のあり方としてピーター一家の日常や、潜水艦乗り組み員の日常も丁寧に描かれる。

 彼等は最後の日まで、理性と誇りを失わない理想的な人々だ。軍と言う疑似ファミリーがスコーピオン号の乗り組み員の心を支えている。彼等の家族は皆、死んでいる…。理性的な物語の主要人物と対照的に描かれるのは、暴徒たちだ。商店から品物を略奪し、食料の奪い合いから路上では殺しあいが始まる。それを冷静に見ているタワーズやピーターは、機密の情報を知っているので、不安の先にある絶望を持っている。どんな風に死ぬか?それだけが、最後の目標になるのは本当に辛い…。

◆◆◆
onthebeach/2
 この作品を面白いと思えるか否か?

 決して面白い作品ではない。暗いし、重い!!絵空事?と思えば、あり得ないことじゃない恐怖!現在、北朝鮮の核弾頭保有問題が、東アジアに緊張をもたらしている。中国、インド、ロシア、パキスタンetc.皆核弾頭と持っている。原子力発電所があり、専門知識があれば核爆弾は作れる。しかし、汚染された土壌は数万年の歳月でしか復元しないのだ。取りかえしの出来ない過ち!それは核による戦争に他ならない。コアラもカンガルーも出てこないが、ほ乳類もは虫類も皆死んで行くのだ。冷戦下に作られた、古い『渚にて』も探して観たいと思ったりする。

 原題の『渚にて』だが、人は海から陸に上がった。映画の終わりの果て、人類はもういなくなる。その風景に渚が一番似合っているように思うのが…。こんな未来はイヤだ!

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February 17, 2007

男であり、女であり、人形であり。/『辻村寿三郎作品展 vol.V』5

ジュサブロー
●辻村寿三郎作品展 vol.V●
●期間;〜3/12まで
●於:日本絹の里

 昨日午後、高崎市金古町にある『日本絹の里』に『辻村寿三郎作品展』を見に行った。この場所では五回目の作品展となる。私は二回から行っているが、一部ガラスのない展示室で間近に人形を見ることが出来るのはとても嬉しい。

 寿三郎さんはジュサブローと表示していたのだが、また寿三郎に戻されたようだ。寿三郎さんは、昨年72歳になられたが、本当に若々しくて精力的な芸術活動をされている。NHK人形劇で寿三郎さんの作品を見て育った世代としては、いつまでも若々しい姿は嬉しい限りだ。

◆◆◆

 今回の展示はニューヨークの美術館で作品展を開いた時の『十二星座シリーズ』に、『大日縁起』シリーズ、花魁や江戸芝居の女性を題材にしたもの、他、猫の王様シリーズの人形も並んでいる。特になつかしかったのは、NHK『新八犬伝』の人形(道八、毛野、八房、玉梓など)。

 今マイブームで、市松人形の着物づくりをしている。寿三郎さんの人形着物の見事さは、遥かな先の目標だ。参考に出来そうなのは、裾の綿入れを三重にしていたり、半襟にビーズ刺繍をほどこしてある箇所など。体に比べ、大きめにあつらえた帯も愛らしい。

◆◆◆

 人形の顔を見て感じたのだが、作者の寿三郎さんに似ているのは勿論、美輪明宏さんに似ているものもあり、板東玉三郎さんに似ているものもある。基本的に、どれも女形(おやま)だと言うこと。そげた頬、指の長い手と、大きな足、足の指も長い。だからどの人形も凛として、男気と色気が香り立っている。それが寿三郎さんの人形の魅力なのだろう。。。

 展示室の他、映像室で過去の作品や泉鏡花作品などを上映している。鏡花の作品の声の出演はテロップはなかったのだが中島みゆきさん(違うかも?)と市原悦子さんだった。この声がすごく良い。これは出かけた人は必ず見て欲しいです。必見ネ!!

◆◆◆

 美輪さん、寿三郎さん、お二人は両性具有の感性で、同じ泉に繋がっているように思ったりした。広島と長崎の違いもあるが、二人とも原爆の被害を辛うじて逃れており、上京し舞台人を志している。美輪さんは自分が人形のように美しく装い、寿三郎さんは美しい人形を操る。美輪さんは神仏を語り、寿三郎さんは仏を作る。まったく違うようでどこか似ている。映像室で上映されていた作品の中で、こんな台詞があった。

「女の極楽には、男はいない。男の極楽には、女はいない。」

悲しいようで、嬉しいようで、両性具有者だけが言える言葉なのだろう…。

※詳細;『日本絹の里』HP(http://www.nippon-kinunosato.or.jp/)

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moondrop_aco at 08:21|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)ドール系 

February 16, 2007

原詩を訳してみました。/『千の風になって』メアリー・フライ5

大ヒット中の『千の風になって』。今日、FMぐんまに流れていた。
♪私のお墓の前で、泣かないでください♪

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February 15, 2007

ジャンクなお人形を入手だ〜〜!5

お人形系の日常雑記です。

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