December 2007
December 05, 2007
昭和名作を謎のリメイク?!/『椿三十郎』森田芳光監督

●椿三十郎
●制作総指揮;角川春樹
●原作;山本周五郎『日日平安』
●監督;森田芳光
●出演;織田裕二/豊川悦司/松山ケンイチ/中村玉緒/鈴木杏/佐々木蔵之介 他
久しぶりに高崎109で映画鑑賞。一番大きな6番シアターだったが、お客さんは初老男性2名にオバチャングループ数名…。平日だったが、10余人程度では採算はとれないだろうな〜(泣)。
●あらすじ
森の中の荒れ果てた神社。中には9人の若侍たちが藩の不正を暴くために密談をしていた。彼等は大目付けの到着を待っていたのだ。自らの正義感に酔い、高揚感に高まる彼等に、祭壇の奥から声がする。それはこの神社を宿かわりにしていた浪人のものだった。彼が言うには…。つづきは映画館でどうぞ!!
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本作『椿三十郎』の元作品は巨匠『黒沢明』。私は三船敏郎版をBSで視聴したことがある。印象に残っているのは三十郎がやたらポリポリ体を掻いているところ。本作の三十郎はコギレイで、着物もこざっぱりしており、不精ヒゲも生えてなく、お尻や頬、頭を掻いたりはしていない(笑)。監督が言うには「今の若者は、蚤、シラミのかゆさが判らないだろうし、それに汚いのは好きではないので」。だ、そうです。角川春樹氏はファンドで資金集めをし、『椿三十郎』と『用心棒』のリメイク権を取得したそうだ。シナリオは黒沢監督の書いたものをそのまま使用している。古い作品だからか?台詞を聞いていて微妙な違和感がある。古臭いとは違うのだが、国語の教科書的に分かりやすいのだ。それはラジオドラマ的でもあり、朗読劇のようでもある。
この分かりやすさは万人向けと言うことなのだろうか?映画が娯楽の中心だった昭和中期の特徴かもしれない。この違和感も含め、名作リメイクにどんな意味があったのか、若干の謎が残る。大物制作者角川春樹氏の心中は劇場パンフレットに書いてあるが、やはり???な気持ちになった。せめてシナリオを書き直してくれれば、もっと違う印象になったかもしれない。
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さて、本作の椿三十郎は織田裕二さんだ。昭和の三十郎が三船敏郎さんだったのに比べると、日本人とアメリカ人くらい(?)の違いがある。豊川悦司さんの役は仲代達也さん、松山ケンイチさんの役は加山雄三さん。こうに名前を書き出すと昭和版の方が、ず〜っと濃い!!人間としての重さ、風格がそれぞれに俳優に漂っている。しかし、今回も森田版『椿三十郎』は軽い!。軽さが悪いのではなく、監督の意図したのは重厚は黒沢明の名作を軽妙な味わいで作り直したかったのだと思ったりした。
本作、森田版『椿三十郎』は事前にモニター鑑賞をしていたそうで、小学生の笑いを重要にした旨のことがパンフレットに書いてあった。上述した違和感の原因は、この小学生にも判る笑いと言うことにあるのかもしれない。分かりやすい構図、超人的な達人主人公、主人公と互角の実力を持つ悪役、悪代官と越後屋のような陰謀家、未熟な若者、添え物のような美女連etc.、これらのまったく教科書どおりのような要素が分かりやすく展開していく。そこには意外性はなく、小学生が笑えるくすぐり画像(ドリフの全員集合的な=長さんが織田裕二、松山ケンイチが加藤茶)がそこかしこにある。そ〜なんですよ!!森田版『椿三十郎』はコメディなのです。
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教訓めいたことも主題にあるが、物語の構成やキャスティングに大きなほころびが見える、面白い作品なだけに残念だ。せっかくの森田監督のリメイクを十分に生かせなかった、角川総指揮に文句の1つも言ってみたくなった。
割り切ってみれば、楽しい年末の娯楽作。私ともう1人のオジサンだけが声を出して笑っていた。私ってきっと小学生レベル?エヘヘヘ(笑)。
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