May 2008

May 31, 2008

グッド・トリップ!陶酔と幻惑を体験!!/『アズールとアスマール』5

アズールとアスマール/2















●アズールとアスマール●
●監督;ミッシェル・オスロ
●日本語版監修・翻訳・演出;高畑勲
●声の出演;シリル・ムラリ/カリム・ムリバ/ヒアム・アバス/
      パトリック・ティムジット/ファトマ=ベン・ケリル
●DATA;フランス/2006年/ 99 分

 以前、観て、心の中で反芻していた作品。三鷹のジブリ美術館で作品展も開かれた『アズールとアズマール』です。さきほど、頭痛で目が醒めて、夜明けに感想に書いている。書いていると、不思議と頭痛が治る(?)。美しい記憶は、病気を治すのかもしれない。もし、美しいものが好きな人が、この作品を未見なら、人生損をしているかもしれない。さて、簡単なあらすじなど…。

●あらすじ

 ヨーロッパのどこか。領主の息子アズールは母を亡くし、アラビア人の美しい乳母ジェナヌに育てられていた。ジェナヌの子アスマールは、アズールと同じ年。二人は、優しいジェナヌの子守唄を聴いて兄弟のように育つ。子守唄は“ジンの妖精”のことを歌っていた。遠いアラビアのどこかに、閉じ込められている美しい姫君…。アズールとアスマールは、大きくなったら“ジンの妖精”を救って自由にしよう!と、冒険を夢見るようになる。

 月日は経ち、アズールの父は、領主らしい教育を施そうとする。兄弟同様に育った二人なのに、乳母の子、アスマールは見ているだけ。父の命令で、寝室も一緒ではなくなった。なんでも一緒だったのに、身分で分けられるようになった二人。仲が良いのに、ケンカばかりするように。それを見た領主は、乳母とアスマールを追い出してしまう。アズールも町の教師の家に…。そして歳月は過ぎた。>>>つづきはDVDでそうぞ!!

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 美しいアニメーション作品を最初に見た記憶は、ソビエト連邦の作品『雪の女王』だった。女王の美しいシーンはいつも脳裏に潜んでいる。本作『アズールとアスマール』を、人生の最初に見ることのできる子供は、幸せだ。何故なら、思い出すことのできる美しい記憶の1つが、アズールとアスマールの冒険だから。

 と、ジブリの宣伝担当のように書き出してしまった(汗)。でも、本音なので、仕方ない。本作『アズールとアスマール』は、特別、胸踊るようなハラハラどきどきなストーリーはない。心に響く言葉やシーンは人それぞれ。本作の感動の有無は、作品とヒトとの縁のように思う。

 ジブリのキャッチ・コピーは
   “海の向こうは、不可思議の国だった。”

 『アズールとアズマール』は、響きの綺麗なフランス語とアラビア語で語られる。フランス語には字幕はつくが、アラビア語には字幕はない(DVDには字幕付きも収録されている)。アラビア語に字幕がないのが、本作品では重要な要素になっている。美しい絵と一緒に、音楽のようにアラビア語を聴くのは心地良く、遠く異国を旅しているようだ。



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 本作は、スキャナーで取り込んだ精密な手描きや、写真などの画像データを駆使した背景が特徴的だ。その背景に、ノスタルジックなプロポーションをした3CGのキャラクターが動く。背景だが、どこまで拡大しても大丈夫で、細胞まで描いてあるような錯覚を起こす。それほど、植物や建物、市場の果物など、微細に、精密に描かれている。それに比べ、人物は意外とあっさり、切り絵のようにシンプルだ。人物の味わいは、萩尾望都さんの絵や、物惣冬美さんの絵のようで、少女漫画チックな可憐さがある。

 ヨーロッパのシーンでは、豊かな自然がナチュラルな色彩で、アラビアのシーンでは、ビビットで濃密な空間が描かれる。どのシーンも、あまりの美しさに目眩が起りそうになる。大きな画面で見たら、トリップしてしまうかも…。それほど幻惑的な映像美が追求されている。絵の勉強をしている人には、大きな刺激になると思う。

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 ジブリのサイトで、本作の字幕翻訳も手掛けたプロデューサー高畑勲さんが、詳細な解説を書いている(http://www.ghibli-museum.jp/azur/critique/)。他、物語あらすじや多数画像もあるので、是非、ご訪問ください。

 アズールはドチだし、アスマールは頑固だ、子供っぽいやりとりも多いが、小さい子は自分のことのように感じるだろう。大人の観客には、なじめない展開もあるかもしれない。だから、どうした?的な、理屈、刺激や展開を、本作に求めると、思考の迷路に迷い込んでしまうかもしれない。豊かなお伽話の底には、真理が潜んでいる。本作にも、あなどれない強いメッセージ性が隠れていた。これを見た子供たちが、異文化、異言語に興味を持ち、美しいものを愛する心を宿してくれたら、監督の意図は大成功だろう。制作者として、こんなに幸せなことはない。

 綺麗なものが好きなすべての人と、すべての子供にお薦め!!
 全国の幼稚園、保育園、小学校で必見作品!!

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アズールとアスマール/1

May 30, 2008

グリムやペローだけじゃない!童話集の決定版!/『アンドルー・ラング世界童話全集』5

アンドルー・ラング



















●アンドルー・ラング世界童話全集/全12巻●
●編者;アンドルー・ラング
●既刊;あおいろの童話集/あかいろの童話集/きいろの童話集/みどりいろの童話集
●出版社;東京創元社

 長く入手困難だった『アンドルー・ラング世界童話全集』が復刊された。全12巻完結で、現在4巻まで発行された。

●サンザシ姫---あかいろの童話集から

 この話は『茨姫』と少し似ている。ある日、あるところ、王様とお妃様に可愛いお姫様が生まれる。王様は良い乳母を探しに国中におふれを出す。その時、色の黒い醜い女が乳母になりたいと来た。王様は、バラ色の頬の女を乳母に選んだ。その女は蛇に噛まれて死んでしまった。次ぎの乳母候補者も。、次ぎの乳母候補者も死んでしまった。醜い女は悪い妖精カラボスだったのだ。

 王様は少年時代に、カラボスの粥に硫黄を入る悪戯をしたことを思い出す。カラボスの呪いは「姫が二十歳になるまでこの世のあらゆる不幸を味わうだろう」と言うもの。さて、この世のあらゆる不幸は何だろう?>>>>お話のつづきは本で!!

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 この童話集は、小学校の図書室にあり、繰り返して読んだ愛読書。魔女や怪物、妖精などが登場する不思議な話も多く、ワクワクして読んだものだ。私の読んだものは、1963年、ポプラ社から初版された色違いの布貼り装丁のもので、金箔押でタイトルがあったように思う。

 大人になって購入したいと思っても、勘違いの記憶が『なないろの童話全集』だったので、まったくネット検索でヒットしない。同じ年代や、年上の本好きに聞いても、「読んだことがない」と云われていた。手がかりを発見して、古書を探したのだが、10000円以上になっていて、がっかり!!。今回の復刊で、も〜〜!!、大喜びだ。

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 アンドルー・ラングは英国人。19世紀、ビクトリア王朝時代に活躍した古典学者、民族学者。この童話集は、ラングがヨーロッパに伝わる伝承文学、昔話、伝説、童話を収集再話したもの。中には、時代背景から、差別的だったり、グロテスク、残忍なものあるそうで、そういった過激なものは今回の全集から外されている。また、ペローなどの童話収集と重なる有名な話も、今回は収録されていない。

 最初の翻訳監修は川端康成、次ぎのポプラ社版は子供向けだった。今回は、出来るだけ原著に忠実とのことで、まったくの新訳になっている。勿論、大人も楽しめる翻訳。今までの自分の記憶(子供向け)と違う部分も多く、新鮮でもある。

 嬉しいのは、出版当時のビクトリアンな挿画画家の絵がそのまま収録されていること。挿し絵の黄金期と呼ばれるこの時代の挿し絵は、耽美で美しい。また、怪奇な雰囲気は独特の凄みがある。挿し絵の善し悪しで、童話のイメージが決まってしまうので、今回の復刊は、本当の初版時の雰囲気が伝わり、本当に嬉しい。

 短い話がほとんどなので、お子さんに毎日読み聞かせしても、数年持つ。これは!お買得!!(笑)。隔月刊行、奇数月に発行予定。

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May 29, 2008

訪問者数180000人通過

訪問者数のメモです。
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May 28, 2008

コミック界の温故知新と国際化!?/『モーニングツー No,10』2008,7,25

モーニングツーno.10





●モーニングツー
   2008年 7/2号●
●出版社;講談社/月刊誌
●発売日; 2008/5/22

●掲載作品;
『聖☆おにいさん』/中村光
『ファンタジウム』/杉本亜未
『刻刻』/堀尾省太
『BAETITUDE』/やまだないと



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 昨日、紹介記事を書いた『聖☆おにいさん』の掲載誌。

 本誌『モーニングツー』は創刊して一年ちょっと。。我が地元は、辺境(?)なので、書店への入荷数が少なく、仕方なくAmazonで取り寄せることになる。本号も発売日に書店に行ったが、売り切れ、Amazonで購入した。注文時に驚いたのだが、2007年2/3号がナント!コレクター価格の¥2580になっていた。持っているので、売れたくなった(汗)。

 内容だが、週刊『モーニング』の人気作品『不思議な少年』が、本誌『モーニングツー』に移動し、『聖☆おにいさん』の連載があり、“オノ・ナツメ”さんや“やまだないと”さんなど、個性的な作家の作品をラインナップしている。今号では“モーニング国際新人漫画賞”の入選作を掲載し、無名新人の抜擢(『刻刻』/堀尾省太)もあり、既存作家に頼らない独自性を出している。一般週刊誌サイズながら、読みごたえがあり、充実している。

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 本誌の中で、異彩を放っているのが“やまだないと”さんの『ビアティテュード/BAETITUDE』。有名なトキワ荘を題材に、石森章太郎さんを中心とした漫画黎明期を描いた作品。(登場するのは実名ではなく、石森先生は花森になっている)

 今、コアなコミック・ファンのトレンドなのは“石ノ森章太郎”さんらしい。今春、NHKBSで連夜、長時間の『石ノ森章太郎特集』を放映したり、NHK教育『ETV特集』でも『石ノ森章太郎』を放映。『サイボーグ009』から『仮面ライダー』、実験的で詩的な作品『ジュン』、幻の名作『竜神沼』まで紹介した。長時間放送ながら、見ていて懐かしかった。石ノ森先生死後、何年も経過し、また再評価されていることも嬉しかった。※時々、「ハリウッド発のSF映画の半分は皆、石森作品のパクりだ」と思うことがある。

 藤子不二雄先生が描かれた“まんが道”に、トキワ荘時代の青春が描かれている。池袋にあったトキワ荘は映画化され、『まんが道』はNHKで連続ドラマ化された。だが、それらは十余年以上昔のこと。今回の『ビアティテュード/BAETITUDE』を初めて読む読者もいるだろう。うれしいのは、藤子版では余り活躍していない水野英子先生が登場していること。実際に美しい方だが、絵ではボーイッシュでかっこ良い!!

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 他、一味違う、面白い作品ばかり。
 既存の荒れたコミックに飽きた方は御一読ください。

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May 27, 2008

脱力系のユルユル聖典!笑ってホロリ!?/『聖☆おにいさん』5

[聖おにいさん] ブログ村キーワード
聖☆おにいさん

●聖☆おにいさん 1 (1)●
 ※セイントおにいさん
●著者;中村光
●出版社;講談社/モーニングKC
●帯;ブッダとイエスのぬくぬくコメディ。
   “笑い”でも世界を救う!
   聖人 in 立川
   こんなマンガを見たことない!!
●裏表紙の内容紹介;
 目覚めた人ブッダ、神の子・イエス。
 世紀末を無事に越えた二人は、
 東京・立川でアパートをシェアし、
 下界でバカンスを過ごしていた。
 近所のおばさんのように
 細かいお金を気にするブッダ。
 衝動買いが多いイエス。
 そんな“最聖”コンビの立川ディズ。

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 掲載誌は週刊『モーニング』増刊の『モーニング・ツー2(毎月22日発売)』。大ヒット作『とりぱん』に続く、モーニング編集部発のゆるゆるギャグ。内容とか、ネタばれになるので、書きたくないのですが、とりあえず「読んで欲しい」と思い、ご紹介します。『モーニング・ツー2』は月刊化して日が浅いのだが、個性派ぞろいのラインナップで質の高い内容になっている。まだ、読む幸運を得ていない未読信者さんは、単行本も掲載誌も、大きな書店なら店頭に並んでいるので、ご一読ください。

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 拙ブログ管理人は、“最聖”コンビお二人の大ファンだ。トラウマな小説は、『蜘蛛の糸』だし、『ベンハー』や『十戒』を見るとワクワクする。ありがちなことに、仏教系幼稚園でお坊さんの説教を聞いて成長し、最初の英会話の先生は、教会の牧師さん、幼馴染みはお寺のお嬢さん、大学時代はカソリック教会で遊んでいた。

 我が家は伊勢神道系(?)の家系なので、どこの宗教団体にも属していないが、奈良、京都に行けばお賽銭を投げ、ロウソクを立てるし、ローマに行けば、そこら中の教会で、お祈りの真似をしてしまう(爆)。こんな節操のない宗教観をほんの少しだけ恥じつつ、聖なるものの不在感を、宗教の真似事で満たしてしまう。

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 本作『聖☆おにいさ』はそんなバチアタリな私のドツボ!!笑いながら、お二人の実在を信じて、ホノボノしてしまう。実際の地球は、天災、戦争、内戦で、人がバタバタ死んでいて、とてもこのお二人がバカンスをしている閑などない。だから、本作は究極のユートピアを描いたコミックなのだ。

 他の読者の感想に、「日本でしか成立しないギャク」とあった。信仰の篤い国なら、焚書されるかもしれない過激な内容!?>>>NO!NO!、まったく、そんなことないデス。本作の作者は、世界中で一番愛されているお二人を、その個性を活かして、下界日本で遊ばせています。「日本でしか成立しないギャグ」と云うなら、こんなノンキなバカンスは日本でしか味わえない!ってのが、本当なのかもしれない。
 
 『聖☆おにいさん』読んでね!!
 黙して読む!天国はあなたのものです(?)。

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May 26, 2008

カニ送りつけ商法の電話があった話4

相変わらずの日常雑記3題です。
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May 24, 2008

バレエの原点と、今日を訪ねる本!/『牧神の午後』山岸凉子著5

牧神の午後/1



●牧神の午後●
●著者;山岸凉子
●出版社;メディアファクトリー
     MFコミックス
     ダ・ヴィンチシリーズ
●発売日;2008/3/27
●収録内容
  『牧神の午後』
  『黒鳥 -ブラック・スワン-』
  『瀕死のバレエ発表会』
  『BALLET STUDIO拝見』
  『山岸凉子ローザンヌ国際
  バレエコンクール珍道記』(仮)


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 書店に並んでいなかったので、Amazonに注文。翌日に届いたので、びっくり!

 以前、ボリショイ・バレエ団ダンサーによる『春の祭典』を観たことがある。独特の振り付け、美しい色彩豊かな衣装、プリミティブで静かなエネルギーが沸々していて、なんとも素晴らしいものだった。その時、ニジンスキーのDNAを、ほんのほんの少しだけ感じることが出来た(※ニジンスキー当時の振付は失われている。舞踏歴史家・振付師ミリセント・ホドソン氏、ケネス・アーチャー氏らの尽力で『春の祭典』は復元された。)。また、日本の誇る天才ダンサー熊川哲也さんのステージを観た時も、滞空時間の長さと、ジャンプの高さ、カリスマ性に、この伝説のダンサーのことを思い出した。なんで!?人間が空中で停まることができるのか?。この奇跡のような芸術は、神のギフトなのか…。

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ニジンスキー 『牧神の午後』は、実在の天才バレエダンサー“ニジンスキー”の生涯を、評伝に沿って忠実に描いた作品。天才ダンサーへの尊敬を込めて、山岸先生はいくつかのエピソードに絞り、大幅な脚色は加えていない。だから、同性愛者だっとと云われたことも描かず、物語はあっさりしていると云えば、あっさりしている。ここで、「文句など、畏れ多い!」と思って拝読する。誰とも違う山岸ワールドを読めるだけでもありがたいことなのだ。


 山岸先生はデビュー作以来、ほとんどの作品を読んでいる。この『牧神の午後』の頃から、スランプの予感があり、作品から神憑かりの気配が消えた。今回、収録されているものは、初出に比べ、大幅に加筆、修正されている。表紙のイラストは勿論描き下ろしだろうし、中頁も画面のすみずみまで、細心の仕上がりになった。何より、ベタ(黒塗り部分)がとても綺麗で、山岸先生の繊細な人物画が映えている。

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 『牧神の午後』の初出掲載誌は“ぶ〜け 1989年11〜12月号”だった。この頃の“ぶ〜け”は実力者揃いで、『純情クレージー・フルーツ』の松苗さんや吉野朔実さん、大島弓子先生などなど、連載、読みきりともに、楽しみで、毎号購入していた。山岸先生は角j川書店“Asuka”に、すごく佳いホラーを連作をされていいたが、移籍し、その翌年になる。

 今回の再単行本化(※1991年、朝日ソノラマから出版されている)は、仕上がりが良くて、楽しいアンソロジーになっている。現在の『テレプシコーラ』を描く前提、バレエダンサーの宿命観をよく伝えている。『テレプシコーラ』では、千花ちゃんの悲劇や、六花ちゃんのハンディなど描かれる。それだけ、トップ・ダンサーとして舞台の中央でスポット・ライトを浴びるのは、至難の技!「バレエ・ダンサーの活躍は、どれほどの恩寵なのか?」と、実在のダンサーの生涯から教えてもらえる。

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 『牧神の午後』では、ニジンスキーに、何か霊的な力が宿っているのではないか?と、彼の舞台の前の様子が描かれる。山岸先生自身、神憑かり的な名作を生み出している天才漫画家だ。表現者ニジンスキーの内面的な苦悩を、山岸先生は、誰よりも理解している。バレエ作品に宿る、独特のリアルさは、そこから生まれているのだと思う。

 他、楽しい読み物も満載!是非、『テレプシコーラ』ファンはお読みください。下に画像は、ニジンスキーの舞台写真。本誌と見比べるととても興趣深い。

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ニジンスキー/2

May 23, 2008

投稿数 1000件になりました。5

ブログ開設してから、1016日になる。    
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May 22, 2008

爽やかな古代史ロマンスは教訓的!?/『薯童謡(ソドンヨ)』5

ソドンヨ/1




善化公主主隠
他密只嫁良置古
薯童房乙
夜矣卯乙抱遺去如




●薯童謡(ソドンヨ)●
●監督;イ・ビョンフン
●出演;チョ・ヒョンジェ/
    イ・ボヨン, リュジン/
    イ・チャンフン/
    ク・ヘソン
●DATA;韓国/2007年/
    全55話/DVD28巻

 『宮廷官チャングムの誓い』や『ホジョン』で知られるイ・ビョンフンの作品。全55話を観ました。レンタル開始から、何度借りたことか…。あ〜〜〜、、、長かった。けど、面白かったです。韓国TVドラマ界のヒット・メーカーは、連続ドラマのツボを心得ている。

●1〜2話のあらすじ

 時代は西暦580年頃、27代威徳王の治世。朝鮮半島は、大国高句麗、新羅、百済の三国に別れ、緊張状態にあった。一番、南部に位置する百済は、倭国(日本大和朝廷)と交流があり、技術立国を目指していた。王室では、太学舎(学校兼研究所)を作り、農業・工業技術の開発、工芸・音曲の研鑽をさせていた。

 太学舎の技術士(格物士)モンナスは、博士昇格直前だった。恋人のヨンガモは同じ太学舎で舞仙女。モンナスの博士任命後、結婚予定だった。ある晩、モンナスは不思議な霊感を受け、土中から香炉を掘り出す。香炉には、新しい王誕生を告げる予言が刻んであった。

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 先代の26代聖明王は新羅との闘いで落命。その首は長年、通行人の足の下、新羅の大路に埋められていた。威徳王の甥、衛士佐平(禁軍と親衛隊統括)プヨソンは、首奪還のため、新羅に出兵する。戻った聖明王の首を祀り、東明祭が開かれることになる。その前夜、舞仙女ヨンガモは一人、練習に励んでいた。舞姿を見た威徳王は、ヨンガモを寝所に連れて行く。東明祭前は、女性との接触は禁止されていた。翌、東明祭は、雷鳴と突風に見舞われる。

 王権の弱まった百済宮廷にあって、王はヨンガモとの過ちを秘密にしなければならなかった。威徳王は、王子の証拠になる五色夜光珠の首飾りをヨンガモに託す。子を宿したヨンガモは、許嫁のモンナスに事情も話せず、太学舎を去る。

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 それから10年余の歳月が流れた。大池のほとりで、ヨンガモは息子チャンと暮していた。自分の父親を恋しがるチャンに母は、「父は池の龍だ」と云い聞かせていた。10歳のチャンは山芋売り(薯童)で家計を助ける一方、子供らしく活発に過ごしていた。仲間と貴族の墳墓を荒したり、市場で手製のキナコ爆弾を破裂させたり、いたずらの過ぎるチャン。心配したヨンガモは、かつての許嫁モンナスに、チャンを託す決心をする。出発の朝、ヨンガモはチャンに手紙と首飾りを渡し、「20歳になったら、父の名を教える」と云う。

 その頃、王家では、皇太子阿佐太子が倭国に行ったまま、行方不明になっていた。そのことで、次期王の座を狙う陰謀が進んでいた。チャンは、サビ城太学舎にモンナス博士を訪ねるが、冷たく拒絶される。忍び込んだモンナスの部屋には、神託の香炉があり、チャンが手にすると香炉から煙りが立ち上る。そのことが原因で、モンナスが新羅に逃れることになる大事件が…。以降、舞台は新羅へと移る。>>>>つづきはDVDでどうぞ!!

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ソドンヨ/2
●主な登場人物
●チャン;ソドン(薯童)。辛抱強く、頑固者。
●ヨンガモ;チャンの母、モンナスの許嫁。
●ソンファ姫;新羅真平王の三女。
       才色兼備なお姫様。
●モンナス;太学舎のリーダー。
      チャンの生涯の師。
●モジン;太学舎の技術者。
     モンナスに想いを寄せている。
●サテッキル;新羅の貴族。
       密命で、モンナスの弟子となる。
●威徳王;心優しい、気弱な王様。
●阿佐太子;心優しい、気弱な皇太子。
●プヨソン;威徳王の甥。
      貴族と癒着し、王座を狙う。
●ウヨン姫;プヨソンの腹違いの妹。
      太学舎博士でもある。

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 本作『薯童謡』は“武王伝説/薯童説話(龍の子が、三国一の美姫を娶り、宝の山を発見し、王になる)”をドラマ化したもの。出典は、13世紀に書かれた、高麗の僧“一然”の私撰史書『三国遺事』だ。貴種流離譚の一種に分類されるだろう。多くの英雄伝説がそうであるように、実際の歴史とは異なる。だが、本作はシンプルな説話を膨らませ、史実と組み合わせながら、敵国同志の恋愛、諜報陰謀、権力闘争と、複雑な人間関係と作り上げた。

 人間関係の多くは三角関係になっている。モンナス/ヨンガモ/モジンの太学舎関連、チャン/ソンファ/サキッテルの幼馴染み関連、プヨソン/阿佐太子/チャンの主従関連、後半ではチャン/ソンファ姫/ウヨン姫の三角関係も加わり、愛憎がこんがらがっていく。下劣な貴族は登場するが、悪魔的な悪人は登場しない。全体的に温かい印象なのは。監督イ・ビョンフンの優しい人柄からだろうか…。個人的には、損な役回りのプヨソン、ウヨン兄妹の悪役コンビが好きだった。俺様キャラ、プヨソンは、ごく普通のワガママ(?)だったのに、チャンの登場でどんどん人生が傾く。これもごく普通のワガママ、ウヨン姫は、チャンに関わり、もう〜、プライドズタズタ、姫の身分も危うくなる!!可哀想に。。。

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 可哀想と云えば、サテッキル。サテッキルの不幸の元凶は、やっぱり主人公のチャン。頑固な善人チャンが、他人の人生と関わると、AKY(あえて空気読まない)に突っ走り、対立者を震撼させる(笑)。劇中最大の善人モンナス博士でさえ、チャンのことで、死ぬようなトラブルに幾度も遭う。劇中、モンナス博士は「ヨンガモなぜだ?なぜ、チャンなのだ!?」と、考え続ける。

 ソンファ姫でさえ、周囲は大迷惑!献身的な家来と侍女は、ソンファ姫を追い、東奔西走!。最大のトラブル・メーカーが主役二人!、日本のドラマでは余り見ない構造だ。トラブル・メーカーと云うと聞こえが悪いが、二人の恋の成就には、あらゆる反対勢力が存在する。反対勢力=旧悪(特権階級)との軋轢は仕方ない構造になっている。モンナスを苦しめる神託とは何か?「“民衆のための王”を誕生させよ。」と、モンナスは解いた。その使命に気づいてからの、彼の活躍と粘りが凄い!。

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 ドラマ前半は、チャンとソンファ姫の恋愛がメイン、ドラマ後半は、王座を巡る戦いが中心になる。当初は、ソンファ姫に振り回され感のあったソドンが、後半は自分の意志をはっきり言えるようになっていく。危機に遭遇するモンナスとチャンは、幾度となく王宮と流刑地を往復し、ソンフォ姫はサポートにまわる。三人を破滅させようとするのは、師弟、主従、恋愛関係三角関係のすべてにからむサテッキルだ。サテッキルは、花郎(ファラン=新羅の青年貴族の教育制度)一の秀才、顔だちも優しく、長身で気品がある。ボロを着て、苦労の多い主役チャンより、サテッキルは魅力的にさえ見える。彼もモンナス同様、自問自答する、「なぜ、(愛されるのは)チャンなのだ!?」。女の嫉妬も怖いが、仕事がらみの男の嫉妬は怖い!。

 韓国時代劇は極めて教育的で意図的だ。「資源のない小国にあり、豊かな暮し創成には、技術立国が一番大事であり、平等感と成果主義のある富の再分配は、労働意欲の維持は欠かせない。」と、監督は云っている。その意図が強く出ているのは、前半は太学舎での技術開発(オンドル、合金、紙、織り機、塗料etc.)シーン、後半は灌漑事業、稲作水田づくりだった。一般的に娯楽ドラマで、教育的意図が出過ぎると、イヤミになってしまう。韓国ドラマでは、娯楽と教訓が両立しているので、不思議だ。

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 百済30代武王の治世は40年の長きに及ぶ。彼の死後、19年後に百済は滅亡。そして、多くの王子や王族、貴族が日本に移住した。劇中に使用されている、冠などの装身具、七支剣などは、、日本で発掘された古墳副葬品などのデザインとほとんど変わらない。同じようなものが、群馬の古墳からも出土されている。※ご興味のある方は、高崎市群馬の森にある歴史博物館で、出土品を見ることが出来ます。

 ちなみに百済建国の王は『朱蒙』のヒロイン“ソソノ”の息子“温祚”。日本人が『朱蒙』や『薯童謡』を熱心に見るのは、民族のルーツを少なからず感じているのかもしれない。今回の『薯童謡』は、台詞の中だけだが“聖徳太子”も登場し、一層、韓国ドラマを身近に感じてしまった。『薯童謡』ファンの日本人の中に、武王の子孫もいるわけで、このドラマの教訓は、遠いご先祖さまからのメッセージかもしれない。

 ハッピー・エンドの後、三年後、十年後の二人が描かれる。『チャングムの誓い』も同様だったが、やっぱり王様は悲しい…。※記載ミスや、乱文になってます。のちほど加筆修正します。

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May 21, 2008

“良い子のブログ”は難しい!?2

たわいもない日常雑記です。
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