January 04, 2006

TBS版『南総里見八犬伝』2回目を見て/八犬伝 其の63

玉梓と里見南総里見八犬伝
TBS 1/3 PM9:00〜

昨晩の完結編を見て、この番組の制作意図がいろいろ判ったように思う。意外に原作に忠実な部分とおそろしく設定替えをした部分が混在し、いろんな要素が混乱。自分の足を食べる蛸さんみたいになっている

第一の主役は勿論、滝沢秀明さん演じる犬塚信乃。そしてもう一人の主役は菅野美穂さんが迫真の演技を見せた玉梓だ。『南総里見八犬伝』の裏に潜む『伏姫と玉梓物語』については【八犬伝 其の7】に書きたい。

滝沢さんは優しい面立ちと身体能力の高さで大人気の若手俳優のホープ(誰だって知ってる)。昨年はNHK大河ドラマで清廉な義経を演じた。人気俳優の定めなのだが、何を演じてもタッキー義経であり、今回もタッキー八犬伝だった。彼の屈託のない明るさがすべての絵柄や演出を左右してしまっている。彼の顔には泥一つ付かず、彼が浜路と許嫁同士であってもエロチシズムのかけらもない。童話の王子さまとお姫様のようになってしまう。そこを「楽しめる」か、「違和感を覚える」かで、この作品の評価は大きく別れると思うのだ。
玉梓/3
■閑話休題(坂本九さんの十八番=おはこ)
玉梓は九尾の狐が美女に変じて一国を傾けた(※傾国の美女)、中国の古典『封神演義』の【妲己・妲妃】(中国、殷の紂王の寵妃。淫楽・残忍を極め、王とともに周の武王に殺害された。)をモデルにしたとも云われ、妲己に宿る九尾の狐の霊気は日本に逃れ、【玉藻の前】(鳥羽上皇の寵を得たという伝説上の美女。異国から来た金毛九尾の狐で、陰陽師に見破られて那須の殺生石になった。)になる。玉梓>玉藻の前、なかなかモデルって感じするでしょ(笑)。

管野美穂さんの演じた玉梓は原作の意図を彼女は本能的に察して演じていたように思う。最後にタッキー信乃が「闘いのない世の中にしよう」とエンディングで語るのだが、ある意味、原作の意図を反映しており、納得の終わり方だった。しかし、表現方法がやはりお伽話のような演出になってしまい、興ざめした『新・八犬伝』オールドファンも多かったかもしれない。

まず火遁の術を使う犬山道節、原作ではペテン師っぽい雰囲気の設定で、あんなストレートな良い人じゃない。道節は浜路のお母さんの黒白(あやめ=正妻の嫡男殺しで処刑)に殺されて土に埋められるのに、生き返ったり!?(黒白は殺人罪でなく殺人未遂、死刑はひど過ぎ)ナカナカすっ飛んだ怪人なのだ。原作では船虫とは何の関わりもない。ちなみは浜路(本名/正月;むつき)は道節の腹違いの妹。原作の大塚の浜路は死にます。信乃が結婚する里見の浜路姫は死んだ浜路が憑依しており…。む。む。む。正味4時間足らずで描ける世界ではないのが『南総里見八犬伝』なのです。
里見合戦
ラストは八犬士揃っての合戦シーンは予算を多大に使ったエキストラの数に圧倒。CGで水増ししているにせよ、景気良く人馬が出ていた。『指輪物語』を思い出した人も居ただろうし、『ラスト・サムライ』の合戦シーン、髪型や踊りに『ヒーロー』などの中国系歴史映画の影響を感じた人もいたと思う。山田優さんのワイヤーワークなど、中国系のアクション映画の定番だが、稚拙な印象を否めない。山田さんは不慣れなアクションに頑張っていて、素敵な毛野さんでした。

毒蜘蛛ショッカーも含め、これは子供向け番組なのだ、実はネ。その割には殺陣で返り血を浴びた道節のアップ。、死んだ人の血糊のリアルさetc.の勘違い、玉梓の科白もえぐかった。あれこれ含めて「おいおい!そんなんで良いんかい!!」と突っ込みを入れて見ていたが、そんな楽しみ方もあり!?。

TV番組は正否は、視聴率と反響、DVDの売れ行きにある。タッキー好きのお母さんとゲーム好きの良い子のためのタッキー八犬伝ってのが、今回の結論。※DVDのお値段は高め設定でした。

タッキーファンには嬉しい作品だったと思う。

moondrop_aco at 01:56│Comments(0)TrackBack(10)この記事をクリップ!TV・ラジオ番組系 |  犬系(八犬伝他)

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. ドラマ・里見八犬伝 〜後編〜  [ いわぴいのドラマ日記 ]   January 05, 2006 06:51
 最期の決戦のシーンは本当に壮大でしたねぇ!一体どこで撮影していたんでしょう?攻め寄せる大軍勢を前に奮戦する八犬士の姿にはやはり胸に来るものがありました。僕は普段はアクション映画はあまり見ないんですが、大平原を舞台に戦うのを見るのは気持ちいいですね。「...
2. 『里見八犬伝・後編』 菅野美穂に拍手!  [ くつろぎ日記 ]   January 05, 2006 09:57
後編も一気に行きましたね。 このドラマは時代劇ですが言回しも現代風でしたし親しみやすい脚本でした。 戦乱の世ではあるけれど戦乱を描いたわけではないところがすごく良かった。 馬琴も大衆に受け入れやすい著書を残したそうですからその視点をうまく生かして あった...
3. 「里見八犬伝」後編  [ B級ポータル〜個人的ポータルサイトを目指します〜 ]   January 05, 2006 11:08
前半は、「うるさい人」がまわりにいたのであまり集中して見れませんでしたが、全体を通してみて、久々にTBSで「面白い」と思えたドラマでした。だた、「忠」が「孝」たちについた過程がちょっとわかりませんでした。集中して見られなかったからでしょうか。前編で「反戦...
4. 里見八犬伝  [ 孤狼Nachtwanderung ]   January 05, 2006 11:44
「里見八犬伝」、見ましたよ! 面白かったですね??(o^-')b タッキーは義経の印象が強くて、戦うシーンだけを見ていると「これ義経の特番?」と思ってしまうような・・・(笑 ここで、ちょっと「南総里見八犬伝」の背景を思い出してみましょうか。。。 時代は室町中期...
5. 里見八犬伝  [ カタカタ箱 ]   January 05, 2006 13:36
里見八犬伝・前編後編を見ました。前編は、今日の昼間お父さんと一緒に見て、後編はリアルタイムで・・・夢中になって見てしまいました。山田優が男だった・・・これにはビックリ(笑)玉梓(たまずさ)・妙椿(みょうちん)役の菅野美穂がすごく恐かった〜〜〜この役はまさ...
6. 里見八犬伝  [ Akira's VOICE ]   January 05, 2006 15:21
TBSテレビ放送50周年特別企画ドラマ。 日本製のRPG,すごく面白かった!
7. 里見八犬伝  [ つみばつ日記&雑記 ]   January 05, 2006 21:17
古畑さんや新撰組を振り切ってまで見ちゃいました(^-^;) 随分前々から宣伝しまくってましたので、「さり気に見ればいいや」と言う気持ちで見ましたのですが、最後まで完遂できましたよ…。 ホント意外です。2時間ドラマや連続ドラマを見る事自体、ここ最近なかったのにね...
8. 八犬伝〜楽しかった  [ なおこっとサンキュー! ]   January 05, 2006 23:51
TBSドラマ里見八犬伝 豪華キャストでストーリーもおもしろかった 衣装も、なかなか凝っていて見甲斐があった むかし(幼い頃?)、テレビの人形劇でやっていたような記憶が・・ 仁・義・礼・智・・・・と流行っていた 本も読みました。なつかしい〜 今年は戌年ということで...
9. 【里見八犬伝】2日間見ました  [ 見取り八段・実0段 ]   January 06, 2006 02:58
正月番組らしい豪華さだったと思います。ワダ・エミさんの衣装は豪華絢爛って感じだし、出演者も誰を取ってもファンが付いている人気役者さんばかりだし。。。いや〜、目の保養になりました。。。ってくらいの感想しか書けない。。。ストーリーは、う〜ん。。。「端折って...
10. SPドラマ『里見八犬伝』視聴率データ!  [ 萌えきすとらBLOG ]   January 24, 2006 01:14
TBSテレビ放送50周年特別企画、2006年新春スペシャルドラマ『里見八犬伝』(2006年1月2日&3日、21時から2夜連続でTBS系列にて放送)の視聴率が判明しました。関東での視聴率は以下の通りです。 (前編)1月2日(月):17パーセント (後編)...

コメントする

名前
URL
 
  絵文字