August 24, 2006
おらも、ぱらいそさ〜、いくだ〜!/『奇談』阿部寛主演

●奇談●
●原作:諸星大二郎
●脚本/監督:小松隆志
●出演:藤澤恵麻/阿部寛/ちすん/柳ユーレイ/神戸浩/菅原大吉/土屋嘉男
●内容紹介(Amazon)
神が創ったもうひとつの人類とは!? 驚愕の歴史ミステリー!! 諸星大二郎の最高傑作「生命の木」ついに完全映画化!
子供の頃に神隠しにあった大学院生・佐伯里美は、失われた記憶を求めて東北の"隠れキリシタンの里"を訪ねる。村に伝わる聖書異伝の意味するものとは? 謎を追うにつれて、次々と明らかになる驚異の真実。すべてが解き明かされるとき、あなたは想像を絶する"奇蹟"を目撃する…。
熱狂的なファンを持つ漫画家・諸星大二郎の数ある作品の中でも最高傑作の評価を得ながらも、その奥深さと壮大さゆえに映画化不可能と言われてきた「生命の木」を、鬼才・小松隆志がついに映画化。
********************************
←クリックすると拡大します。高崎109シネマズで上映したか?定かでなく見逃してしまった『奇談』、レンタルDVDで鑑賞。原作は諸星大二郎先生の『妖怪ハンターシリーズ』の中の、名作『生命の木』だ。この作品は、友達の間で大受けで、「みなで、ぱらいそさ〜、いくだ〜!」と言いながら、教室や喫茶店からはけるのが流行した(汗;。
青森県の新郷村戸来(へらい)には、キリストの墓もモーゼの墓もあり、謎のヘブライ語の民謡♪ナニャドナサレノ ナニャドヤラも残っている。日ユ同祖論も本気で研究する学者さんもいて、日本人の一部は、遠くシナイ半島から移り住んだ彷徨えるユダヤ人の末裔だと言われている。日本語の単語とヘブライ語の単語を比較すると二千余りの似た音のものがあるとか…。
そんな手垢のついた民間伝承を大型ミサイルでぶち壊すような破壊力が、諸星作品にはある。エデンの園にある2本の木。一本は善悪を知る知恵の木、もう一本は永久の命を与える生命の木。この作品は、その「生命の木」の実を食べてしまったもう1つの人類の許しの物語だ。
■■■
諸星作品の代表作と言える「暗黒神話」でも、地底に棲むまつろわぬ異形の神々が描かれた。妖怪ハンターで餓鬼や蛭子が、彼独特の感性で視覚化され、沢田研二さん主演(1991年作品)で映画化されている。今回は、ドラマ「トリック」ですっかり学者さん姿がお馴染みの阿部寛さんが、稗田礼二郎を演じている。この役は長髪のセンター分けがトレードマーク(笑)なので、出来たら阿部さんにも長髪で演じていただきたかったです。
『奇談』は、原作の設定1972年をそのまま生かし、古い昭和の風景になっている。今のような住民台帳がネット化している状況では、隠れ里自体存在しないように思う。電気もガスもない、江戸時代そのままの暮らしをしている住民!21世紀の今では「ありえね〜!」お話だが、30年も前のことならあり得る?なんて思ってしまうのがミソ。この物語の隠れキリシタン伝承は、映画冒頭の説明どおり日本各地にあり、ここ群馬でも高崎郊外の寺に「隠れキリシタンの墓が発見された」と以前、新聞記事になったことがある。
■■■
『不老不死』は古来王侯貴族の夢だが、日本では、人魚の肉を食べて「不死」の呪いを受ける八百比久尼のように、死なないことはネガティブなイメージがある。「輪廻転生しながら、魂の修行をする」そんな観念が日本人の宗教観に根付いているのかもしれない。不老の果ての悲しみを感じるのは仏教的な感性なのかもしれない。
原作は不思議と温かい光が作品の中に満ちている。しかし、監督の小松隆志さんのイメージはどこか荒涼としている。出来たら、お盆の頃、晩夏の撮影だったら…、と、個人的な要望です。思い入れの強い漫画作品なので、もの足らない部分もあるが、自分が監督(笑)ではないので、映像化していただいたことに感謝したいと思います。
「みなで、ぱらいそさ〜、いくだ〜!」
Please on Click!!
トラックバックURL
この記事へのトラックバック
1. 奇談 [ 色即是空日記+α ] June 26, 2006 01:06
奇談、奇怪な変わった話、というだけあって、ほんと独特の世界でした。
民俗学好きだから、アリだけど。。。
そしてまたもやキリスト教の世界・・・
というか、キリシタンの世界なんだな。
だからキリシタン用語 なるものが飛び交う。
2. 奇談 [ 映画鑑賞★日記・・・ ] June 26, 2006 09:08
『奇談 キダン』公開:2005/11/19監督:小松隆志原作:諸星大二郎『生命の木』(集英社刊『汝、神になれ鬼になれ』所収)出演:藤澤恵麻、阿部寛、ちすん、柳ユーレイ、神戸浩、菅原大吉
1972年。民俗学を専攻する大学院生の佐伯里美は、奇妙な夢を見るように....
3. 奇談 キダン 06年150本目 [ 猫姫じゃ ] August 12, 2006 20:53
奇談 キダン
2005年 小松隆志 監督 原作 諸星大二郎 「生命の木 」(妖怪ハンター )藤澤恵麻 、阿部寛 、ちすん 、柳ユーレイ 、神戸浩 、白木みのる 、清水紘治
この映画、知っていて、見たいと思っていたのですが、いつ始まってどこでやってい...
この記事へのコメント
1. Posted by 匿名 June 22, 2006 14:27
阿部寛好きです!
2. Posted by Valhaloss June 26, 2006 00:05
TB.ありがとう御座いますm(_ _)m
原作が原作だけに、いくら面白くても観る人を選びそうです。
私自身は、この映画の雰囲気が好きなので、大仰な展開などなくても楽しめましたが。
この作品、CGの未熟な頃に特撮で撮っていたら、また別の良さが楽しめたかも知れませんね。
原作が原作だけに、いくら面白くても観る人を選びそうです。
私自身は、この映画の雰囲気が好きなので、大仰な展開などなくても楽しめましたが。
この作品、CGの未熟な頃に特撮で撮っていたら、また別の良さが楽しめたかも知れませんね。


