February 18, 2007

無音の未来…、こんな明日はイヤだ!/『エンド・オブ・ザ・ワールド』4

onthebaech/1
●エンド・オブ・ザ・ワールド 完全版●
●監督: ラッセル・マルケイ
●出演:アーマンド・アサンテ/レイチェル・ウォード/ブライアン・ブラウン/グラント・バウラー
●DVD発売日: 2001/2/23  時間: 208 分

 レンタル店の棚に『人類絶滅コーナー』がある(笑)。端から見ようと思っているのだが、このジャンルはB級作品が多く、当りはずれが多い。本作は1959年に作られた『渚にて』のリメイク作品。往年の名優グレゴリー・ペックが主演している。古い映画で、さすが(?)に未見だ。パッケージにあった滅亡の巨匠(!)小松左京さんの推薦文に惹かれて借りたのだが…。

●あらすじ

 2006年、中国が台湾封鎖を強行する。国連やアメリカが抗議するが、中国の態度は硬化。ついに両国間で核弾頭の発射ボタンが押された。結果、北半球は核汚染され、地上生物は絶滅してしまう。米海軍潜水艦スコーピオン号は、海中にいたため被爆を避けることが出来る。彼等の目指すのは、まだ放射能汚染が達していないオーストラリア・メルボルン。潜水艦内でのデータ解析では、赤道高地から放射能が流れ出し、南半球の生物生存限界は数カ月後と言うことだった。

 メルボルンに向かう途中、スコーピオン号は豪政府の命令で、孤島で死を待つ大気学者を強引に同行する。彼は汚染が南半球にも及びことを確信しており、恋人とも別れ、飲んだくれていたのだ。オーストラリアでは北の地方はすでに危険レベルに達していた。また原油国の壊滅によりガソリンは枯渇、町は北からの避難民と、一般市民の暴徒化で荒れ果てていた。郊外に住む海軍士官ピーターは建築家の妻メアリーと幼い娘との三人暮し。妻は汚染報道を信じることが出来ず、家の改装に熱中していた。

 ある大気学者が「北緯60度以北に放射能汚染濃度が低い場所がある」と推測。その証拠に北から定期的に電子メールが発信されていると言う。上陸したスコーピオン号に新しい任務が下される。それは、孤島にいた大気学者オズボーンと豪海軍士官ピーターを乗艦させ、「北に調査に向かう」と言うものだった。オーストラリアが壊滅するまで数カ月、政府の狙いは地球上に汚染されていない場所を探し、1000人の男女を移住させると言うもの。輸送に使えるのは高性能潜水艦のスコーピオン号しかなかったのだ。果たして、北緯60度以北に人類は生存しているのか?スコーピオン号の見たものは?>>>つづきはDVDでどうぞ!!

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 長い!3時間半の完全版!この長さは、「どれもカット出来ない必要なシーンだったから」と思える。そして繰り返し見てしまう切なさがある。本作は、パニック映画ではない。死を前にして、愛する家族とどう過ごすか?人は絶望を前にどんな行動を取るのか?実に濃厚な人間ドラマなのだ。
onthebeach/book
 しかし、頂けないのは日本語版DVDのパッケージ。退屈なパニック映画しか想像できない自由の女神とニューヨークの廃虚のイラスト。こんなシーンは何処にもない(!)。原題も『On The Beach/渚にて』、『世界の終わり=End of the world』なんて直接的なものではない。この題名を見ただけでも販売元のミスリードを感じない訳にはいかない。ネビル・シュートの原作が読みたくなってamazonで探したら絶版。なんと数百円の創元社SF文庫が四千円以上の価格になっていた。よく探したら千円以内で買えるものが見つかったので注文した。読了後、また感想を書き加えたい。

◆◆◆

 物語は放射能汚染で死滅していく世界とともに、スコーピオン号の艦長タワーズとオーストラリア士官ピーターの義姉(妻の姉)のラブロマンスを追って行く。また家族愛のあり方としてピーター一家の日常や、潜水艦乗り組み員の日常も丁寧に描かれる。

 彼等は最後の日まで、理性と誇りを失わない理想的な人々だ。軍と言う疑似ファミリーがスコーピオン号の乗り組み員の心を支えている。彼等の家族は皆、死んでいる…。理性的な物語の主要人物と対照的に描かれるのは、暴徒たちだ。商店から品物を略奪し、食料の奪い合いから路上では殺しあいが始まる。それを冷静に見ているタワーズやピーターは、機密の情報を知っているので、不安の先にある絶望を持っている。どんな風に死ぬか?それだけが、最後の目標になるのは本当に辛い…。

◆◆◆
onthebeach/2
 この作品を面白いと思えるか否か?

 決して面白い作品ではない。暗いし、重い!!絵空事?と思えば、あり得ないことじゃない恐怖!現在、北朝鮮の核弾頭保有問題が、東アジアに緊張をもたらしている。中国、インド、ロシア、パキスタンetc.皆核弾頭と持っている。原子力発電所があり、専門知識があれば核爆弾は作れる。しかし、汚染された土壌は数万年の歳月でしか復元しないのだ。取りかえしの出来ない過ち!それは核による戦争に他ならない。コアラもカンガルーも出てこないが、ほ乳類もは虫類も皆死んで行くのだ。冷戦下に作られた、古い『渚にて』も探して観たいと思ったりする。

 原題の『渚にて』だが、人は海から陸に上がった。映画の終わりの果て、人類はもういなくなる。その風景に渚が一番似合っているように思うのが…。こんな未来はイヤだ!

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moondrop_aco at 16:11 │Comments(0)TrackBack(1)この記事をクリップ! 映画(あ・か行) 

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1. 渚にて  [ 1-kakaku.com ]   April 26, 2007 00:18
第3次世界大戦が勃発し、核兵器使用のために北半球はすでに全滅、戦闘をのがれた南半球の一部の地域にも死の灰は近づきつつある。そんななか、生き残った米国原子力潜水艦の艦長(グレゴリー・ペック)は、オーストラリアのメルボルンに寄港後、アメリカ本国から届いた謎...

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