June 02, 2008

豪華衣装にうっとり!スポコン的芸道修行/『ファン・ジニ』5

ファン・ジニ/1





















●ファン・ジニ/黄真伊●
●脚本;ユン・ソンジュ
●演出;キム・チョルギュ
●出演;ハ・ジウォン/チョン・ミソン/チャン・ゾンソク/
    ムン・ションシク/イ・イネ/ユ・ヨンジ/
●DATA;2006年/韓国KBS制作/24回

 NHKBS(日/21時〜)で放映されている『ファン・ジニ』。昨日(6/1)、“雨の別れ”で、童技編が終了した。今回はベタに泣ける!、ティッシュが手放せなかった(泣)。物語前半のあらすじと感想など…。

●あらすじ

 お寺の見習い、チニは10歳、父母を知らなかった。チニは、母に会いたい一心で、仏に三千拝を捧げるほど、強い気持ちの子供だった。チニは皆と外出した折り、松都教坊(技生養成所)で、美しい舞を踊る女性たちを見る。すっかり舞に魅せられたチニは、お寺を抜け出し、教坊に弟子入りを望む。その教坊には、チニの母がいた。チニの母、ヒョングムは、両班と恋仲になりチニを身ごもるが、身分の違いで結ばれることがなく、泣き明かしたすえに、盲目になっていた。また、“技生の子は技生”の掟からチニを守るために、お寺にチニを預けたのだった。教坊の行首(ヘンス=主人)ペンムは、チニが名技ヒョングムの娘であることを知り、またチニに並々ならぬ才能を感じる。ペンム行首は、ヒョングムの反対を押しきり、チニを教坊に引き入れる。

ファン・ジニ/2 
●●

 美しく成長したチニは、16歳になっていた。母と、母の友人オムス楽士に見守られ、チニは、熱心に舞、楽器、書画、詩歌を学んでいた。ペンム行首は、他の童技の誰よりもチニに期待し、厳しく修行されるのだった。

 松都、両班の師弟の学ぶ学問所には、「童技のスカートをお守りにすると、科挙試験に受かる」と云うジンクスがあった。そのジンクスを信じ、学問所の青年たちは、チニら童技のスカートを盗もうとする。その中に、両班の一人息子ウノがいた。チニを見たウノは、一目でチニに心奪われ、チニに手紙を届ける。「身分違いの恋など、辛いだけ」、母の悲恋を知っているチニは迷惑に思うが、だんだんウノの真心に、心を開くようになる。ペンム行首は、「恋の辛さ、悲しみは、芸の糧になる」と黙認し、母ヒョングムは、チニの幸せのため、二人の恋を応援する。

 だが、ウノには両班の娘の許嫁がいた。チニのことを知ったウノの母は…。つづき、あらすじは公式HPでどうぞ!

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●主な登場人物

●チニ;芸の虫。意志の強い頑張り屋。父は両班。
●ウノ;チニに恋する両班の子息。真面目で優しい。
●ヒョングム;チニの母、琴の名手。恋に破れ、盲目に。
●オムス;教坊の音楽教師。ヒョングムを助ける。
●ペンヌ;教坊の女主人。舞の名手。芸道に厳しい。
●ケトン;チニの親友。下働きだが、技生に憧れている。

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 ファン・ジニ(黄真伊)”は、15世紀に実在した女性、妓生名は“明月”。美貌、技芸、書画、詩歌、卓越し、歴史上伝説化している名技だ。最下層の身分の女性でありながら、気高く生きた彼女の人生は、何度もドラマ化、映画化されている。朝鮮王朝時代の定型詩“時調”の詩人でもあり、現在も黄真伊の詩は数編残されている。

 今回の再ドラマ化にあたって、韓国KBSは“女性時代劇”として位置付け、他局時代劇と差別化戦略をとった。豪華衣装や、調度、舞、音楽など、作品の芸術性には、とくにこだわったと云う。チニの生きる世界が、特殊な世界だからこそ、格調高く描かなければならないはずだ。

 技生の世界、そこで遊べる男性は、一部の特権階級だけとは云え、売春の一種なのは、いなめない事実。『ファン・ジニ』は、どうしてもエグイ設定からは逃げられない。ここまでは、爽やかな幼い恋愛が描かれていた。ウノさんは、少年ぽくて、どう見ても中3ぐらいにしか見えない。幼い恋は、儚く消える。この役に、ピッタリの俳優さんだった。


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 ここまでチニは“童技”だった。童技は、日本の舞妓さんと同じで、夜伽はしない。『ファン・ジニ』の前半のクライマックスは、“髪揚(両班旦那衆との一夜婚)”だった。ペンヌ行首の台詞だが、「技生は物を云う花」、技生としての生き方は、人間らしい心を封じた生き方なのだ。『ファン・ジニ』は、実はとっても悲しい物語なのだ。

 と、悲しいと書きながら、『ファン・ジニ』は、宮廷で芸を披露する女楽の座を巡る競い合いの面もあり、修行シーンは相当にハード!。水の中で息を止めたり、油の上を歩いたり、綱渡りをしたり、ロープで逆さ吊りにされたり、衣服が濡れてナマメかしいし、痛い(実際に)シーンも多い。頑張る様子は、古〜いスポ・コンドラマ『アタックNo.1』や、『少林寺三十六房』のようだったりする。後半は、ペンヌ行首が一子相伝で守っている“鶴の舞い”をチニが継承するのか?、芸を巡る戦いは、もっと苛烈になるらしい。一人前の妓生になったチニの豪華衣装も楽しみだ。

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 伝統の朝鮮王朝時代の舞、30種類余をドラマでは見ることが出来るそうで、“剣の舞”を始め、さまざまな宮廷舞は、華麗で見ごたえあり!少し昔、日本のワルオヤジ(?)は韓国キーセン観光などど、恥ずかしい団体旅行をしていたことがある。歴史に残る朝鮮王朝時代の技生は、「芸は売っても心は売らない」、誇り高い職業婦人だった!!。逃れようのない宿命の中で、懸命に生きるチニ。彼女の強さは見ていて心地良い。

 まだ未見の方、来週から新しい話です。是非、御覧ください。

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