March 12, 2008
人形ブームの原点!ここから始まった。/『中原淳一の人形』

●中原淳一の人形●
―人形への熱き想いと作り方のすべて (別冊太陽) (ムック)
●編者;中原 蒼二
●出版社;平凡社
●DATA;2001年7月発売/2800円/取寄可
公民館の担当さんに誘われている『人形教室』。なんだか、秋の市民美術展に皆で出展するそうで、不肖&一応、生徒としてはヤバイ!。30cm抱き人形の次ぎは、50cmの立ち人形を作るそうだ。取りあえず、参考書を本山(?)から出してきた。簡単に内容と紹介など。
●目次
第1章◆いのち輝いてー男の人形
第2章◆少女たちの夢ーフランス人形
第3章◆いつも一緒ーぬいぐるみ人形
第4章◆小さな喜びー人形手芸
●特別付録ー実物大型紙30点
※現存している貴重な中原人形のグラビア、戦前から30年代、雑誌に掲載された人形の作り方、エッセーなど多数収録。
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今までの手芸は-(中略)-それぞれの面白味を持っていますが、人形製作は-(中略)- 一番、芸術的な手芸ではないかと思うのです。
ちょうど画家が線をかき、詩人が詩をつくるのと同じように、人形は誰でもできる絵であり、詩であると思います。(中原淳一 人形を愛する気持ち 抜粋 昭和12年)
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検索キーワードで“中原淳一 美術館”をネット検索されるお客さまがいる。残念ながら、河口湖畔にあった素敵な美術館は貸アート・スペースにリニューアル。また、どこかで、美術館の再開をせつに願う。
以前も紹介したが、その美術館には手作り自由のアトリエがあった。たくさんの布切れと糸、ミシンなどが置いてあり、端切れは持ち帰り自由!。何故、そんな部屋があったかと云うと、美しい生活の提案者だった中原淳一先生は、一般の人に手芸の楽しみを広めたいと思われていたから。また、大のお人形好きで、最晩年は、精力的に人形製作に取り組まれていたからだ。
本書は、書名どおり、中原淳一の芸術活動の中で、人形製作を特化したもの。『別冊太陽』はマニアックな編集ものが多いが、本書は特に丁寧な編集作業がされている。
特筆すべきは実製作をする人形ファンに嬉しい作り方記事の数々。当時の古い雑誌の記事を転載した頁が多数あり、紹介されている人形の作り方50体!!以上!。なんと型紙30点まで付いている。
お人形は夢二風だったり、フランス人形風だったり、ロシア演劇風だったり、足太人形だったり、淳一人形の世界は広い。8頭身のフランス人形は、辻村寿三郎先生の洋風人形に多大な影響を与えているように思うし、中原淳一ファンで知られる美輪明宏さまのメイクアップ法にも影響を残しているように思う。憂い顔で、物想う人形の姿は、芸術家中原淳一の真骨頂だ。
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淳一先生のお人形の素晴らしいところは、素人にも作れるように、材料は家にあるもの、製図やマニュアルも簡単にしていること。型紙も拡大コピーなどない時代なので、実物大!!になっている。大らかな型紙から、完成したお人形の大きいことが判る。大きいと云うことは、作り易いと云うことでもある。
少女雑誌の挿し絵から、絵本、雑誌編集長、ライフスタイルの提案まで、中原先生の仕事は、多岐に渡る。 その中でも、人形製作は、創作人としてのスタートであり、ライフワークだった。晩年の闘病中も、創作は続けられ、遠くフランスでも高い評価を得ている。
極論かもしれないが、手芸と云う分野での、人形づくりの1つの頂点は、中原淳一で完結している。後につづく人形手芸は、中原DNAをどこかに残しているはずだ。大きな布製の人形の可憐なこと!、有益性なんてケチ臭いところはミジンもない。部屋の椅子などに人形を飾れば、自然に汚くなって、いつか壊れてしまう。「人形はそれで良い」と、中原淳一先生は云っているようだ。
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表紙はあえて男性の人形になっている。彼の男性人形は、手足の長く細いパンツを履いている。それに家出して帰る場所のないような孤独感が人形から伝わってくる。華麗な女性像に比べ、なんと寂しい姿だろう。中原人形は、彼の芸術業の内面を知る大きな手がかりになるように思う。
人形づくりをされる人には座右の名著!中原好きには必携の保存本。
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