June 06, 2008
黙示録の獣は可愛い坊ちゃん!?/『オーメン666』

●オーメン666/THE OMEN●
●監督;ジョン・ムーア
●出演者;リーヴ・シュレイバー/ジュリア・スタイルズ/ミア・ファロー
●公開 2006年6月6日 110分 アメリカ映画
●DVD発売日;2006/11/3
『終末預言』を代表する映画と言ったら、『オーメン』は外せない。黙示録の獣は、ヒトラーとも言われるが、映画の中では、可愛いボウヤ?
●あらすじ
世界は、黙示録の予言が次々と現実のものとなっていた。黙示録の悪魔“666の獣”がこの世に生まれ出ようとしている。それはキリストの千年王国を実現するために避けて通れない人類の試練なのか?バチカンの奥深く陰謀が始まっていた。
ロバート・ソーン、大統領を縁戚に持つ若き外交官。赴任先のローマで、彼の新妻が出産を迎えていた。妻ケイトの出産を待っているソーンに、神父は「赤ちゃんは死産、二度と出産できない体になってしまった」と告げる。あまりのショックに茫然とするソーンに、神父はある提案をする。同じ時刻に生まれた「新生児の母が急死した」と神父は言った。神父に勧められるままに、身元不明の男の子を実子として受け取ることにするソーン…。ケイトはその事実を知らされず、自分の子供ではない赤ちゃんに頬ずりをして喜ぶのだった。
赤ちゃんはダミアンと名付けられ、夫妻の庇護下、すくすくと育っていた。ダミアンが4才になった頃、ソーンはイギリスへの赴任が決まる。ところが、駐英大使が着任直前に、不慮の事故で急死、ソーンは異例の抜擢で駐英大使となる。夫の出世を喜んだケイトは、ソーンが驚くような大きな邸宅を借りることにするのだった。
その豪邸の庭で、ダミアン5才の誕生パーティが盛大に開かれる。多くの招待客で賑わうガーデン・パーティの会場、庭を見下ろす屋上にダミアンの乳母が立っていた。首に縄を巻き付けた彼女は、大きな声でダミアンを呼び、そして…。つづきは>>>DVDでどうぞ!。
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1976年版の『オーメン』は幾度となくTV放映され、30才以上の日本人は一度は目にしている大ヒット作だ。シリーズ作品 『オーメン2/ダミアン(DAMIEN: OMEN II、1978年)』 『オーメン/最後の闘争(THE FINAL CONFLICT、1981年)』も、深夜枠のTV放映で幾度も見た。
最初の『オーメン』から30年も経過している方が、個人的には恐怖(笑)だ!?この頃のアメリカ映画は、悪魔主義に取りつかれたように良質(?)なオカルト映画が目白押し。『ローズマリーの赤ちゃんRosemary's Baby(1968・米)』『エクソシスト』『オーメン』は悪魔系映画不朽の名作だと思う。
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ちょっと脱線するのだが、
ロマン・ポランスキー監督(『ローズマリーの赤ちゃん』の監督の妻、臨月間近のシャロン・テートは、カルト集団の教祖チャールズ・マンソンに惨殺される。それは1969年8月8日だった。マンソンを凶行に走らせたきっかけの1つに、ビートルズの『ヘルタースケルター』という曲がある。白人と黒人の“最終戦争”をマンソンは『ヘルタースケルター』と呼び、狂信化&武装化していった。この事件は後日談があり、『ローズマリーの赤ちゃん』の撮影で使われたアパートが“ダコダハウス”。1980年にジョン・レノンが射殺された時に住んでいたあのアパートだ。
“悪魔主義映画”の社会的背景を深読みすれば、ベトナム戦争だろう。悲惨な長期戦争は、アメリカ人の心を疲弊させる。その反動から“ラブ&ピース”のフラワー・ムーブメント(ヒッピー)が起きる。その中の一部の反社会的な若者は、フリーセックスとドラッグに走った。マンソンもその流れの中の一人だ。
そしてベトナム帰還兵の一部にも麻薬が蔓延する。麻薬中毒者が社会問題化し、当時のアメリカは、国中がバット・トリップしていたのかもしれない。この麻薬中毒のロックミュージシャンとヒッピー・ムーヴメント、フワワーチルドレンのイメージは、前回紹介した『ローズ イン タイドランド』を鑑賞して欲しい。理想の末期が寂しい…。
またグランドミレニアム直前のキリスト教圏は、黙示録の預言を恐れていた。チェルノブイリ原発の事故は、黙示録にある“ニガヨモギ=チェルノブイリ”と地名の偶然の一致を見る。「獣の復活の前に吹かれる、天使のラッパだ。“ハルマゲドン”のカウント・ダウンは始まった」…。と、根拠の薄い推測はさておき、『オーメン』のリメイクの感想に戻る。
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本作『オーメン666』だが、やはり、グランドミレニアムが経過してしまった『オーメン』は、心理的プレッシャーが弱い。このグランドミレニアムを簡単に説明すると、西欧では2000年で動く春分点を一つの周期と考え、魚座に春分点があったキリスト生誕後の2000年をキリストの時代と考えていた。仏教にもあるように、末法の時代が2000年までだったのだ。これは『ノストラダムスの予言』にも重なり、社会不安を増大させていった。
占星術師たちは反キリストの誕生を占い、1963年の6月生まれとしていた。生まれた場所は中東のどこか。この人物をされる写真を雑誌で見たことがあるが、反米の指導者として暗躍しているらしい(出典;ムー)。だから最初のダミアンの誕生は、実在の反キリストの誕生日に近いのだ。ブッシュ政権は、現在、イスラム圏と理不尽な戦争を泥沼化させている。彼の深層心理に、どこか『オーメン』の影響があるのではないかと?うがった考えを持ってしまう。
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作品の中で、悪魔をイメージする画像がフラッシュ・バックされる。このイメージは極めてプリミティブで、アフリカや南大平洋の仮面のようだったりする。マンソンが妄想したように、白色人種と有色人種の間の戦いが“最終戦争”の正体だとしたら、本当に怖い。
日本人はアメリカに対して極めて服従的であり、バナナ(見た目は黄色いが中身は白い)と悪口を言われている。アメリカがキリストの教え『隣人を愛せよ』『左の頬を打たれたら、右の頬を出せ』を守っているのか?と言えば、はなはだ疑問だ。以前も書いたが、悪魔とされる偶像は、旧世界の大母神だったり、自然神だったりする。※仏教の明王像はどうみたって悪魔だ(汗)。
ダミアンのことで言えば、生物学的にジャッカルが人間の子供を産むわけがない(笑)。
ジャッカルや犬は、欧米規範に不服従のダイナミックな自然のパワーを象徴しているのかもしれない。(正統派ではない)キリスト教カルトは、どこか“ハルマゲドン=最終戦争”を待ち望んでいる。
そんなものはない。
それより環境問題で人類は滅亡する可能性がどんどん高くなっている。その時、空から天使が舞い降りるとは、とても考えられないのだった。
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