July 16, 2008

BL好き編集者の陰謀(?)か?大ブレイク間近!?/『特集・高畠華宵』プリンツ214

プリンツ21/秋/08

●特集・高畠華宵●
●prints (プリンツ) 21 /
 2008年秋号
●出版社;プリンツ21
●DATA;発売日 2008/6/26

●出版社による内容紹介

 大正末〜昭和初期にかけて一世を風靡した挿絵画家・高畠華宵の大特集!『日本少年』『少女画報』といった多くの児童雑誌に表紙、口絵、挿絵、また新聞の挿絵、便箋表紙絵などを描き、出版美術の黄金時代を築く。また華宵の存在そのものも全国の少年少女の憧れの的となり、一躍カリスマ的人気を得る。その艶麗な美人画や気高さ、はかなさが宿る美少年の作品は多くの読者を魅了し、今なお鮮やかに輝き続けている。特集では〈美少女〉〈ファッション〉〈美少年〉〈子ども〉〈デカダンス〉の5つのカテゴリーにわけ、華宵作品の魅力を平成にアジャストして徹底分析!寄稿は宇野亜喜良、安野モヨコ、大槻ケンヂ、松谷みよ子と豪華メンバーが集結。大正ロマンと昭和モダンに彩られたら華麗な作品群をご堪能下さい。

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 “prints 21”の秋号は【特集・高畠華宵】だった。今年になって高畠華宵関連の本紹介3册目になる。BL好き編集者の陰謀(?)も含め、出版関連に見る華宵の再評価の浪は大きいようだ。本誌の詳しい内容は、編集者からの紹介文に譲るとして、ワヤワヤな感想など。

 “prints 21”はA4変型“anan”と同じサイズの大判雑誌。華宵の代表作が大判サイズいっぱいに印刷され、とっても新鮮!!。美少年を描いた“刺青”も大きく印刷され、筆致や、鉛筆らしき下描線もくっきり見ることができる。『刺青』は華宵の代表作、女性っぽい顔だちの妖しい若者(?)が背中の刺青を見せている構図。Tシャツなどに印刷すれば、日本好きの外国人観光客の人気商品になりそうだ。

 また、華宵が描いた『少女画報』『日本少年』の表紙絵や、児童雑誌『金の船』の表紙もたくさん掲載されている。表紙絵を見て感じたのだが、『少女画報』の女性像はすべて同じ顔だちで華宵らしい作風。だが、『日本少年』の表紙絵は、何点か写実的なものが混ざっている。これは、日本が軍国化していく中での、国威高揚の表れだろう。写実的な絵には、画家の意向はないようで、少女絵に比べクオリティが落ちる。ファッション性や、廃退的な雰囲気のない華宵の絵は、やや痛い。

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 保守的な美術評論家から見たら、高畠華宵の画業はどんな位置にあるのだろう?。

 以前なら、“時代と共に忘れ去られた昔の流行画家”と云った評価がだろうか…。それが、今回のように、流行に敏感な美術系専門誌で特集を組まれている。原因は、団塊世代層読者獲得やら、出版企画の疲弊、売れる作家不足がある。考えてみれば、バブル期以降、作家の使い捨てが増え、成功しているのは村上隆氏ぐらいだ。なかなか、ロングセラーを生むような人気画家が登場しない。

 CG作家・映像表現作家はどんどん新人が登場し、消えていく。一部に人気のある平面表現作家はマニアックに深化し、一般大衆の深層心理を穿つ才能は発掘されていない。現代美術の作品展を見ても、コンセプト・アートが多く、難解だ。だから、皮相な感想など笑って却下されてしまいそうだ。難解過ぎる作品群、マニア化していく作風、作家名優先で奇矯なものを喜ぶ風潮などなど、現代美術の現場はカオス化している。カオスでは、大衆相手の商売はできない。高畠華宵のような、かつての大作家の作品が再評価されるのは判るような気がする。

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 今回の特集を見て、一番感じたのは、晩年の作品群の寂しさ。子供向けの絵本などの作品は、毒を含んだ彼らしい個性が消えていた。時代の寵児、一世を風靡した作家の宿命を感じ、少し寂しい気持ちになった。

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この記事へのコメント

1. Posted by おとめ    July 19, 2008 17:32
こんにちは。
華宵というと美少年のイメージがあるのですが、この表紙のような可愛らしい少女絵もあるのですね。
そういえば、昔の化粧品のポスターか何かも描いていたような気が。。。

本当に今は一世を風靡というような作家がいないのも事実で、淋しい気もしますね。

いつもながら、色々と勉強になりました♪
2. Posted by A・C・O    July 20, 2008 05:55
>おとめさま

おはようございます^^。
いつもコメントありがとうございますm(--)m。本当に嬉しく思います^^。

華宵は『馬族の唄』の挿絵が有名なので、美少年系のイメージも強いのですが、女性向けの絵もとても可愛いです。ファッションイラスト系は、今見ても古びた感じがなくて、華宵のファッションセンスの良さを感じます。本書は大型書店なら店頭に並んでいると思うので、是非立ち読みしてください^^。ちりめん細工や押し絵の参考になると思います。

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