November 28, 2008
いつか来る!?、子供の時代との決別!/『カスピアン王子の角笛』

●ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛●
●原題;The Chronicles of Narnia: Prince Caspian
●原作;C・S・ルイス
●監督;アンドリュー・アダムソン
●出演;ベン・バーンズ/ウィリアム・モーズリー/アナ・ポップルウェル/
スキャンダー・ケインズ/ジョージー・ヘンリー/ティルダ・スウィントン 他
●DATA;2008年5月21日 上映時間 150分 アメリカ合衆国
うっかりしていたら12月になっていた。雑事が溜まっていて、頭が痛い。頭痛治しは本屋!?(汗)。ご近所のツタヤに、ナルニアの続編が並んだ。話題のファンタジー系連作は映画館で見たい方だが、本作は足を運ぶ気にならなかった。何故か?は、感想の中で。まず、あらすじなど…。
●背景;ルーシーたち、ベベンシーの兄弟姉妹が、ナルニアを去ってから一年。ロンドンに住む彼等は、本来の年齢で学校に通っていた。しかし、ナルニアでは1300年の歳月が経過していた。春を呼び戻した王たちに去られた後、ナルニアは衰退していった。今は、好戦的な人間族、テルマール人がこの地を支配し、もの云う動物たちやドアーフたち古代の種族はひっそりと隠れ住んでいた。

●あらすじ;テルマール国の城、陣痛に苦しむ貴婦人がいた。夫ミラース卿は急死した先王に代わり摂政を務めていた。夫人の産んだ子は男子だった。その報を聞いた家庭教師の老博士は、カスピアンの命の危険を感じ、王子を城外に逃がす。カスピアン王子こそ正統な王位継承者だった。博士は、人の踏み込まぬ「森に逃げるよう」に云いながら、伝説の女王の持ち物であった角笛を手渡す。「この角笛は本当に命の危険が迫った時に」と忠告する。カスピアン王子は、逃げる直前、自分の寝台に矢を打ち込む大勢の兵を見る。ミラース卿の本心を知り、逃げるカスピアン王子の背後では、ミラース卿の子息誕生を祝う花火が賑やかに打ち上がっていた。
かつてナルニアと呼ばれた国。川向こうの森は、テルマール人には危険な人外の土地だった。カスピアン王子は、その森の中を疾走していた。追走兵が間近に迫る中、王子は落馬してしまう。王子を助けたのは、森に隠れ棲むドアーフとアナグマだった。手当てをしてくれたアナグマが言葉を話す。そのことは、テルマール人のカスピアンには信じられないことだった。さて何故?、ベベンシー兄弟たちが、再びナルニアに戻るのか?.>>>つづきはDVDでどうぞ!
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前作『ナルニア国物語第一章 ライオンと魔女』は、ファンタジー映画の頂点を見た思いがした。明晰夢のような、清清しい空気感!。ビビットで深い色彩は、森の香りまで感じた者だ。冬を支配する魔女と春を呼び戻す聖なるライオン“アスラン”。戦争から逃れた兄弟は大きなタンスの中を通り抜けて、ナルニアに招かれる。冬の景色の静かな美しさ!、春の足音の祝祭感!!。加えて、魔女軍と兄弟たち、ナルニア連合軍の闘いの雄大さ!!!。とにかく、出来の良い映画だった。
だが、人の夢、祭りはいつか終わるもの。普通の日々と日常の悩みが待っている…。それが、人の世であり、ナルニアも例外ではなかった。今回のテーマは、喪失と成長だった。
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前作が神話時代なら、続編『第二章 カスピアン王子の角笛』は中世的な風景の中にある。本作はC・S・ルイスの国の偉大な劇作家シェークスピア劇のように語られ始める。急死した先の王、未熟な王子、王座を狙う王族と、反乱を企む将軍…。物語の断片は、『ハムレット』のようだったり、『マクベス』のようだったり、『ジュリアス・シーザー』etc.だったりする。言外に語られる、陰謀や歴史、原作を未読だと、判り辛い部分もある。リーダーの失策で、多くの命が奪われる。ルーシーの疑問、「命を捨てて勇敢に闘う、そんな選択肢しかないの?」。この疑問は、私たち女性視点の疑問でもある。
敵の死、それを上回る味方の死!、本作『第二章 カスピアン王子の角笛』は12歳未満の子供たちには少々ハードだ。ディズニー作品なので、残虐なシーンは少ないが、物語の内容は、暗く救いのない描写が続く。
一の王だったピーターは映画では、独自の性格設定がされているようだ。アメリカ映画の主人公にありがちな短気で単純!!を絵に描いたような底の浅い人物描写で登場する。地下鉄のホームでドタバタと喧嘩をし周囲に囃される。未熟な若者が困難な体験の中で、人間的な成長をする物語!?、アリキタリの描写(溜め息)。彼は過去のナルニアで大人の時間を過ごしていたのに、何を学んでいたのだろう?。それに比べ、弟エドマンドは十分に賢くなっており、ナルニアファンは少しだけ安堵する。
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本作の主人公とも言えるカスピアン王子は、原作よりも成熟した青年になっていた。中学2年生ぐらいのイメージが高校生2年生?、容貌もピーターよりラテン系でカッコイイ!!。だが、カスピアンが大活躍するか?と云えば、なんのこともなくトラブル・メーカーでしかない。彼を狙いナルニアに派兵したテルマール軍の圧倒的な人数に、悲壮な敗北しか感じない。そこをどうに打開したのか?が、本編のヤマ場。1/4過ぎ、アスランの気配を感じるあたりから、やっと面白い雰囲気に。それまでの暗い展開は、絶望的までに暗い。正直ツマラナイ。
イマドキのファンタジー映画は、CGのクリーチャーの出来で面白さの70%が決定してしまうように思う。本作は前作より、CGやVFXの出来映えがイマイチ。加えて、キーパーソンになる美女や女神系のキャラが登場しないので、映画自体に文字どおり華がない。スーザン姉さんは素朴で可愛い雰囲気で良いのだが、ファンタジーの女王さまにしては地味だったりする(そこが彼女の魅力だが)。
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『ナルニア物語』全体は、キリスト教的な比喩や暗喩が多く、教義を基にした学びの物語になっている。本作では“戦争の愚かさ”、“信じることの大切さ”が説かれる。多くのナルニアの生き物が戦死する中、アスランは姿を表さない。お手軽に神は現れない。救世主も現れない。だが、ルーシーの存在が、現実な人類史から神話の世界に物語を変容させる。絶望的な世界で、無垢、純真、少女(=少年)の存在が、最後の救いなのかもしれない。
これからのナルニアにも苦難は続く。次回作に期待!。
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この記事へのコメント
1. Posted by
BlogPetのkorokoro
December 02, 2008 14:00
korokoroは、活躍したよ♪


