ドール系
July 07, 2008
フリフリ&リボンに巻き髪のアベハ原点/『人形たちの楽園』

●人形たちの楽園●
●編集:岩井映子
●文庫: サイズ(cm): 15 x 11
●出版社: アートダイジェスト
●ISBN: 4900455970 ; (2006/05)
●編集者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
岩井 映子
東京女子大学日本文学科卒。アンティーク・レース、アンティーク・ドールに関するエッセイを発表するかたわら、現在、東京代官山にて雅趣あるお店、Rever(レヴェ)を主宰している。
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2006年の3月に紹介した“少女古写真集”。ビクトリアン衣装に人形を抱いた少女ばかりを集めている。文庫サイズで体裁はポストカードになっている。本の整理をしていたら出てきたので、眺めている。沢木耕太郎さん著『少女古写真館』の第3章-人形愛の世界の項と、同じ写真も含まれているが全体的に毒が薄い。やはり編集者が女性であると言うことだろう。純粋に“可愛い”をキーワードに少女を見ているように感じる。
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この世界は古臭いようで、実は今(?)、大フレーク中の雑誌『Ageha』の世界と同様だ。フリフリ&リボン&薔薇に盛り上げ髪、女の子たちが“マリー・アントワネット様大好き”路線を極めると少女古写真のファッションスタイルは必修教養になる(笑)。『Ageha』ファッションにロック・ティストが加わると雑誌『ゴシック&ロリータ』になったりするわけで、この路線の上位ブランドはやっぱり“ビビアン・ウェストウッド”だったりするんだろう。
イラストレーターを目指す少女向け雑誌『季刊エス』の最新号は、やはりこの路線だった。人形や、人形風ファッションに身を包んだ少女の写真が、綺麗な裸像(ヌ●ドと書くと図書館のフィルター・ロックされるので=笑)写真とともに掲載されていた。
お人形>>>お姫さま>>>綺麗>>>不老不死>>>バンパイア
このファッション・スタイルの振れ巾は大きくて、マリー・アントワネット様から、ポーの一族のマリーベルまで包括する。少しアート好きな女の子の鉄板趣味は、本当に不老不死のように持続している(笑)。
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少女と言う時は、女性の人生の中で10歳〜14歳くらい、ほんの数年間だ。この年頃の子供たちは、少年、少女ともに、圧倒的な生命力、命の輝きが姿や仕種に表れる。芸術家はインスピレーションを得、犯罪者は●×△※★だ。
写真を眺めて、なんとなく不健康さを感じてしまうのは、人間の業が、これらの写真が愛好される底辺に隠れているからだと思う。そうそうSF映画の名作『ヒデゥン』にも少女好きな宇宙人が登場したっけ(なつかしい〜!)。
少女好きは宇宙も被う一大妄想なのかもしれない(笑)。
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June 23, 2008
キレイ&カワイイ!プロの技にウットリ!!/『日本絹の里 ちりめん創作人形展』

日本絹の里 特別展示
●ちりめん 創作人形展●
●会期;2008年6/7〜7/14
●開館時間;9;30〜17;00
●休館日;毎週火曜
●主催;日本絹の里
●協力:人形工房 竹本京
【昔の日常生活をモチーフに活躍している創作人形作家・竹本京さんの作品を中心に約100点を展示します。】
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日本絹の里で、創作人形展が開催されている。高崎市在住の竹本京さんは、創作人形界で長く活躍されている人形作家。マリア書房発行の“創作市場”などにも作品が掲載されている。今回の創作人形展は、絹の里で2年ごとの教室展の3回目になる。過去、絹の里以外でも、市民ギャラリーや、地元スズランデパートなどで、教室作品展は行われている。
今回の作品展にも、多数の少女の衣装人形が出品されており、見ごたえ十分!!。竹本先生の作品を始め、お弟子さん40名近くの作品、100体以上が、ギャラリーに所狭しと展示され、中央には、七夕飾りをちりめんで作った竹飾りが据えられていた。
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竹本先生の作品が、繊細で素晴らしいのは当たり前なのだが、お弟子さんたちの作品も、皆、可愛くて素晴らしいものばかり!!。特に、衣装に使っている古ちりめんの見事なこと…(溜め息)。市松風の立ち人形で30cmくらいのものが多く出品されていたのだが、江戸期から、明治のちりめんで振り袖が誂えてあった。髪飾りや、持ち物、帯揚げに至るまで、細部までこだわった丁寧な作りで、会場のあちこちで感嘆の声が上がっていた。
会場係にお弟子さん数名がいらっしゃったので、お話を伺った。
●Q;今回の衣装用のちりめんは?
「皆さん、江戸時代のものを揃えたそうです」
●Q;どんなところで、探すのですか?
「地元骨董市や都内の骨董市、専門店などで、皆さん探すようです」
「高価な布もあるので、探すのは大変です」
●Q;古い布ですが、仕立てる前に洗うことはありますか?
「怖くて洗えません(笑)」
他、お教室の生徒さんの数や、月謝など、立ち入ったことを聞いてしまった。※会場係の皆さん、ありがとうございました。教室の定員がすでに満員なので、現在は入門出来ない順番待ち状態らしい。
立ち人形から、お雛さま、姉様人形、文化人形etc.、ちりめん細工や人形に興味のある女性には、と〜っても!!、楽しい&ワクワクする創作人形展です。お薦め!!
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March 12, 2008
人形ブームの原点!ここから始まった。/『中原淳一の人形』

●中原淳一の人形●
―人形への熱き想いと作り方のすべて (別冊太陽) (ムック)
●編者;中原 蒼二
●出版社;平凡社
●DATA;2001年7月発売/2800円/取寄可
公民館の担当さんに誘われている『人形教室』。なんだか、秋の市民美術展に皆で出展するそうで、不肖&一応、生徒としてはヤバイ!。30cm抱き人形の次ぎは、50cmの立ち人形を作るそうだ。取りあえず、参考書を本山(?)から出してきた。簡単に内容と紹介など。
●目次
第1章◆いのち輝いてー男の人形
第2章◆少女たちの夢ーフランス人形
第3章◆いつも一緒ーぬいぐるみ人形
第4章◆小さな喜びー人形手芸
●特別付録ー実物大型紙30点
※現存している貴重な中原人形のグラビア、戦前から30年代、雑誌に掲載された人形の作り方、エッセーなど多数収録。
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今までの手芸は-(中略)-それぞれの面白味を持っていますが、人形製作は-(中略)- 一番、芸術的な手芸ではないかと思うのです。
ちょうど画家が線をかき、詩人が詩をつくるのと同じように、人形は誰でもできる絵であり、詩であると思います。(中原淳一 人形を愛する気持ち 抜粋 昭和12年)
◆ ◆ ◆
検索キーワードで“中原淳一 美術館”をネット検索されるお客さまがいる。残念ながら、河口湖畔にあった素敵な美術館は貸アート・スペースにリニューアル。また、どこかで、美術館の再開をせつに願う。
以前も紹介したが、その美術館には手作り自由のアトリエがあった。たくさんの布切れと糸、ミシンなどが置いてあり、端切れは持ち帰り自由!。何故、そんな部屋があったかと云うと、美しい生活の提案者だった中原淳一先生は、一般の人に手芸の楽しみを広めたいと思われていたから。また、大のお人形好きで、最晩年は、精力的に人形製作に取り組まれていたからだ。
本書は、書名どおり、中原淳一の芸術活動の中で、人形製作を特化したもの。『別冊太陽』はマニアックな編集ものが多いが、本書は特に丁寧な編集作業がされている。
特筆すべきは実製作をする人形ファンに嬉しい作り方記事の数々。当時の古い雑誌の記事を転載した頁が多数あり、紹介されている人形の作り方50体!!以上!。なんと型紙30点まで付いている。
お人形は夢二風だったり、フランス人形風だったり、ロシア演劇風だったり、足太人形だったり、淳一人形の世界は広い。8頭身のフランス人形は、辻村寿三郎先生の洋風人形に多大な影響を与えているように思うし、中原淳一ファンで知られる美輪明宏さまのメイクアップ法にも影響を残しているように思う。憂い顔で、物想う人形の姿は、芸術家中原淳一の真骨頂だ。
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淳一先生のお人形の素晴らしいところは、素人にも作れるように、材料は家にあるもの、製図やマニュアルも簡単にしていること。型紙も拡大コピーなどない時代なので、実物大!!になっている。大らかな型紙から、完成したお人形の大きいことが判る。大きいと云うことは、作り易いと云うことでもある。
少女雑誌の挿し絵から、絵本、雑誌編集長、ライフスタイルの提案まで、中原先生の仕事は、多岐に渡る。 その中でも、人形製作は、創作人としてのスタートであり、ライフワークだった。晩年の闘病中も、創作は続けられ、遠くフランスでも高い評価を得ている。
極論かもしれないが、手芸と云う分野での、人形づくりの1つの頂点は、中原淳一で完結している。後につづく人形手芸は、中原DNAをどこかに残しているはずだ。大きな布製の人形の可憐なこと!、有益性なんてケチ臭いところはミジンもない。部屋の椅子などに人形を飾れば、自然に汚くなって、いつか壊れてしまう。「人形はそれで良い」と、中原淳一先生は云っているようだ。
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表紙はあえて男性の人形になっている。彼の男性人形は、手足の長く細いパンツを履いている。それに家出して帰る場所のないような孤独感が人形から伝わってくる。華麗な女性像に比べ、なんと寂しい姿だろう。中原人形は、彼の芸術業の内面を知る大きな手がかりになるように思う。
人形づくりをされる人には座右の名著!中原好きには必携の保存本。
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March 05, 2008
お誕生日のスペシャル!

ヤフオクのオークションは古本を中心に利用している。古いお人形は値段が高額になり、なかなか落札出来ない。先日、本当に久しぶりに古い市松人形を落札することが出来た(嬉しい!)。
状態は、胴紙がなくなっており、作者、工房名は不明。60cm以上ある大きな人形で、すごく可愛い。そろそろお誕生日なので、自分にプレゼントだったりする(汗)。今回のお人形は安価で購入できたので、勝手に掘り出し物のように(?)思っている。
すごく個人的な趣味の話で申し訳ありません(大汗)。
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March 04, 2008
辻村寿三郎人形展 VOL.VI/日本絹の里

●辻村寿三郎人形展 VOL.VI●
●会期 平成20年2/2土)〜3/1(土)
●時間 9時30分〜17時
●料金 一般 400円
●群馬県高崎市金古町888-1
群馬県立日本絹の里
2/22に“日本絹の里”に行った。
学校の教室ほどの狭い空間の中に、寿三郎さんの人形が展示してある。照明はほの暗く、小さい人形の細部は曖昧にしか見えない。そのほど、寿三郎さんの人形は精緻なのだ。今回は初めて見るものが多く、とくに“平成のピュアな少女たち”とタイトルされた20cmぐらいの人形は、衣装人形の最終形を見た思いがした。ドリカムの吉田美和さんにどこか面ざしの似た人形の頭部はピンポン球よりも小さい。そのサイズでありながら、存在感の大きさは圧巻!今回の展示には写真添付の作品展目録がなく、早く、新作を網羅した「写真集が出版されたら…」と思った。
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大きい衣装人形は、美輪明宏さんや越路吹雪さんに似た両性具有的な雰囲気があり、あえて目を描かず、睫毛だけで表現している。目を描かないことで、違う緊張感があり、頭身も10頭身ほど、故中原淳一さんの作品を思い出す。
会場は平日でありながら、人で溢れていた。絵葉書もなかったのが、とても残念!久しぶりに、楽しい時間を過ごせたのだった。
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August 20, 2007
少女って幻想。中原イズムの普遍性/『中原淳一の塗り絵』

●中原淳一の美しきぬり絵
●ぬりえ作成;中原 蒼二
●出版社;ワニブックス 各¥1000 (2006/11発行)
ちょっと!?ショックな出来事!!
山梨県河口湖畔にあった『中原淳一美術館』が閉館されていた。生の原画が至近距離で見られること、瀟洒な白い洋館は美術館と言うよりは、中原先生のお宅にお邪魔したような居心地の良さに溢れた空間。そこでは、好きな布で手芸制作が楽しめるお部屋もあった。河口湖畔の観光施設の中では、とりわけ素敵な場所だったのに…。すごく残念なので、図書館から関連図書を借りたり、塗り絵を注文した。残念ついでに、中原淳一さんの入門本の紹介です。
◆◆◆
私は中原淳一さんをリアルに知らない。
母が中原淳一さんの大ファンだったこと、友達のお母さんの本棚に中原淳一さんの『ひまわり』や『それいゆ』などの雑誌があったこと、辻村寿三郎さんのエッセーなどなど、間接的な感動と尊敬を知っていただけだ。
数年前、河口湖藩の『中原淳一美術館』を訪れた時、圧倒的な画力に打ちのめされた。シルエット絵本の原画は本当に小さな画面で、繊細で強固な線で描かれていた。迷いのない曲線と直線、そしてヨーロッパの香りがするディテール。母たちの世代が、中原先生のすべてに熱狂したのは当然!と納得した。
◆◆◆

●【別冊太陽】
美しく生きる
- 中原淳一
その美学と仕事
●出版社;平凡社
¥2480(1999/04)
中原先生は昭和33年、TV番組『中原淳一のおしゃれおしゃべり/NTV』の収録中に心筋梗塞で倒れ、仕事復帰されたが、翌年、脳溢血で倒れ、仕事の一線から離れてしまう。仕事も順調、これから一番良い仕事が出来る時の戦線離脱は、どれだけ無念だったことだろう。同時に、日本のモード界は偉大なリーダーを失うこととなったと想像するに難く無い。中原淳一先生の闘病生活は20余年の及び、晩年は人形制作や絵画制作をされている。
戦前の中原淳一さんの絵は少し夢二風で、タレ目の着物姿の女の子。その姿は可憐で清楚だ。少女小説の人気挿絵画家として、多くに人気作家に愛された。ノーベル賞作家の川端康成氏も中原先生の絵を好んで挿し絵に指名している。
戦後の中原先生の絵は、パリのモードが似合うスタイリッシュな絵に変容している。そして、絵の発表場所も自分が主催する出版社に移り、より能動的な仕事をされる。描かれる少女の顔だちはオードリー・ヘップバーンに似ていたり、ジーナ・ロロブリジーダに似ていたり、意志の強そうな瞳と、そげた頬、骨張った顎先はどこか中性的でさえある。今も美しい浅丘ルリ子さんは、中原淳一さんがオーディションで選んだ女優さん、役名から芸名をとっているそうだ。
◆◆◆
先に紹介したのは、数年前から大流行の『塗り絵本』。安価で画集が買えるので、お薦め!
『別冊太陽 美しく生きる 中原淳一 その美学と仕事』は8年前の発行ながら、ロングセラーを続けている。図版も多く、また中原先生ゆかりの作家、芸術家が文章を寄せられており、読みごたえ十分!
塗り絵の本の帯に推薦文を寄せているのは美輪明宏さん。美輪さんもファッション本を出しているが、その内容、装丁、イラスト、すべて中原さんの系譜だ。
50年も前に一線から退きながら、その仕事は今も新鮮!
香りの良いチョコレートの様に感じるのは私だけではない。
※お人形本もあるので、注文中。届いたらご紹介します。
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May 13, 2007
May 04, 2007
新しいお友達(笑)/ジャンクな市松人形入手

ジャンクな市松人形が届いた。
ヤフオクで入手。終了5分前に競争相手がいたので、予算より若干高い落札価格になってしまった。プロフィール画像に使用している桃月の人形に似た笑顔のお人形。高級な市松人形は伏し目がちでお嬢さんな雰囲気だが、このお人形はニコニコしている。「市松人形は怖い」なんて言う人も多いけれど、こんな笑っているお人形でも怖いのかな?、と思えるほど、可愛く笑っている。
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この市松人形は、昨年の冬頃、一度見ている。事情があって、再出品されたらしい。ジャンクな点なのだが、着物は本当に安価な作りだし、汚れている。髪の毛も前髪の半分が剥がれており、全体的に浮きがある。致命的なのは、両頬、耳の下の胡粉が完全に浮いており、剥離寸前(汗)。専門家の修理法を調べたら、胡粉の剥離部分を剥がして、下地から塗り治すらしい。そこまですると完全にオリジナルが損なわれるようで、躊躇してしまう。
制作年代は推測だが、昭和20年代の後半あたりだろう。物資が乏しい時に作られた雰囲気がある。銘紙の印は錦寿、朱の印は読めない。この時代のものは手足の作りが粗雑で上腕部に針金が入っており、太ももは厚紙。胡粉剥離を起こした原因は、極端な乾燥だろう。下の桐塑部分が収縮してしまい、胡粉と分離してしまっている。もう1つの原因は桐塑の乾燥が不十分で胡粉を塗ってしまったことも考えられるし、剥離した胡粉を見ると、剥離層が薄く、十分な下地塗りをしていないのかもしれない。
なにはともあれ、また新しい修理待ち人形が増えたのだった(汗)。※でもボロボロの人形さんを見るとほおっておけない!?、これは病気(蟲)の一種かもしれない(半分、嘘)。
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April 26, 2007
胡粉は20回以上塗る!!/『人形作り/藤村明光』

●人形作り/藤村明光●
●やってみたいなこんなしごと 2
●写真;木戸征治/文;国松俊英
●あかね書房 \1200(絶版)
『病(やまい)膏肓(こうこう)に入(い)る』とは、“心臓の下と横隔膜の間に病気があり、どんな名医でも治せない”の意。と、云っても病気のことではなく、普通(?)、“何かに熱中して抜け出せなくなるたとえ”(笑)。この病は人形集め。日本人は他の国の人に比べ、この病に罹患している人が多い(汗)。
本書では、あまり紹介されることのない工房の地味な仕事風景を写真と文で紹介。技法書ではないが、人形修理や人形つくりの参考になる内容となっている。すでに絶版、私はアマゾンの検索で古書店から購入した。図書館が廃棄したリサイクル図書で、状態は良かった。
この本は、小学生向、社会科学習などに利用されたりした職業本の1つ。発行は1987年、すでに20年前の本だ。内容は伝統的な手法を守る市松人形作家の藤村明光さんの仕事風景を紹介したもの。明光さんのお父さん藤村紫雲さんは昭和2年の答礼人形で有名な2代目滝沢光龍斉さんのお弟子さん、息子の明光さんは名人光龍斉の孫弟子にあたる。※残念ながら、光龍斉直系は絶えてしまっている。
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伝統的な市松人形を作っている工房は日本中探しても十指で足りる。昭和初期や大正、明治の一流品に遜色ない人形を作れる人形師は僅かな数しかいないのが現状だ。理由は伝統の技が家内工業的なものであったり、産業として成立するほど需要がないことなどがあげられるかもしれない。そんな現状の中で、藤村明光さんは中心的な作家さんとして活躍されている。
こう書くと昔の人形がなんでも良いようだが、まったくそんなことはない。昔の人形で良い人形は当時も高価で、現在、骨董店では16万〜30万円と云う高価な値段で売買される特殊なもの。※答礼人形は今の価格で250万円ぐらいになるかもしれない。
一般庶民が購入した市松人形は、桐塑素材ではなく、張り子に絵の具を塗ったものだったり、顔だけ桐塑製、手足はボール紙に張り子製。粗悪で壊れやすいもので、ほとんどまともな状態で残っていない。今、どうしようか?悩んでいるのは、最近、入手した古い市松人形。着物を脱がしたら太ももは丸めた紙が片足に三個ずつ入っていた(汗&笑)。いっそ、球体関節にしちまおうか!>>>無謀かな…。
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日本の人形マニアの多くは西洋への憧れが強い。大人気の人形作家恋月姫さんの人形は皆、ヨーロッパの幼い少女の姿を写したものだし、四谷シモンさんの人形も憧れの西洋!顔の人形ばかり。スーパー・ドルフィー系のカスタム・ドールのほとんどは金髪だったり、青い目だったりする。西洋人形も嫌いじゃないが、ずっと顔を見ていられるのは日本人顔した市松人形のように思ったりする。
古い作家ものの市松人形を見ていると誰かに似ていると思う。たとえば、浅田真央ちゃんの顔。真央ちゃんは、舞妓さんが似合いそうなジャパニーズ・ビュティーだし、荒川静香さんの横顔は人形浄瑠璃の娘人形にそっくりだ。安藤美姫さんは西洋顔だけれど、織田信成くんは五月人形の金太郎さんみたいデショ?。
日本人顔の人形は、やはり市松人形に極まるヨネ(笑)。
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